プラモデルに関係する映画紹介その1~ミッドウェイ~

前回映画についての記事を書いたので、今回は少し映画の紹介をしてみたいと思います。

🐔前回の記事を載せておきます。参考にして下さい。

映画の楽しみ方について         

今回は比較的最近の映画であるミッドウェイを説明します。この映画をみる時に少しでも面白く観ることができるように説明したいと思います。

🐦今回説明する映画を下記に載せておきます。参考にして下さい。

ミッドウェイ(字幕版)

ミッドウェイ(吹替版)

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=🐣ミッドウェイとは=

太平洋戦争でのミッドウェー海戦をテーマにした映画です。ミッドウェー海戦とは1942年6月にミッドウェー島近海で、日本海軍とアメリカ海軍が行った戦闘の事です。戦闘に参加した日本海軍の正規空母4隻全てが沈められてしまい、一般的に太平洋戦争のターニングポイントと言われている海戦です。

=🐣時代背景=

ミッドウェー島は日本とハワイの間にある小さな島です。日本からハワイまでの距離を1とすると、日本からハワイまでの2/3程の距離にある島です。太平洋戦争開戦後から日本海軍の攻略目標になっていましたが、日本から遠いため占領しても補給や維持が困難、島が小さいのでハワイ攻略の際の前線基地には不向きなどの理由で見送られていました。

ところが、1942年4月にアメリカの空母に搭載された陸軍の爆撃機が東京を空襲します。この出来事はドゥーリトル中佐が指揮をしたのでドゥーリトル空襲と言われています。軽量化のため防衛用の機銃は外していたり、空母に戻ることはできないので、作戦終了後はそのまま日本を通過して燃料がなくなるまで中国の安全な地域に向かって飛行するなど、ずいぶん無茶苦茶な作戦でした。そもそも陸軍の爆撃機が空母から発艦するなど考えられない事でしたが、日本に一矢報いて戦意高揚させるために行われました。

空襲自体の被害は少なかったのですが、連戦連勝の日本海軍は突然に本土を空襲された事に驚き、急遽ミッドウェー島攻略作戦を実行する事にしたのです。

=🐣ミッドウェー島攻略作戦とは=

日本海軍の作戦プランは、ミッドウェー島を攻略してハワイ島攻略の足がかりにする事と、攻略作戦中にアメリカの空母が来た場合は、敵空母の殲滅という2つの目的を持つ作戦になってしまいました。この2つの目標が大きく影響してきますが、それはもう少し後で説明します。

=🐣登場人物について=

劇中に日本海軍の将校3人が登場しますが、この3人の立場や位置関係を知っておくと、より一層映画が楽しめるので簡単に説明します。

まずは、豊川悦司さんが演じる山本五十六です。真珠湾攻撃の立案者として知られる連合艦隊司令長官で戦艦大和に乗船しています。ミッドウェー攻略作戦を渋る大本営に対して、「この案が通らないなら、長官職を辞する」と言ってこの作戦をゴリ押ししたと言われています。

二人目は浅野忠信さんが演じる山口多聞少将です。第2航空戦隊司令官で空母飛龍に乗船していて、早くから航空戦に注目していて航空機の運用や作戦に長けていたと言われています。またとても厳しい訓練を行う事で有名でしたが、部下からの信頼は大きかったそうです。

最後は國村隼さん演じる南雲忠一中将です。第1航空戦隊司令官で空母赤城に乗船しており、出身は水雷(駆逐艦や巡洋艦による魚雷攻撃)部門でした。真珠湾攻撃作戦から第1航空隊を率いる事になったのですが、航空知識がほぼなかったため作戦中に山口少将に詰め寄られる事もたびたびあったそうです。

劇中では戦闘中に、南雲中将と山口少将の意見が対立する場面が多いのは、上記で述べたように経歴の違いからだと思います。山本長官が戦闘中の二人のやり取りに全く関与していない訳は、無線封鎖中でさらに長官の乗る戦艦大和は戦闘地域のはるか後方に配置していたため、作戦中はお互いに連絡不可能な状態だったからです。

この3人の経歴や階級などを知ってから観ると、なるほどと思える箇所がいくつかあるので参考にしてください。ちなみ階級は司令長官→中将→少将の順になっています。

=🐣暗号解読について=

日本海軍はあまり暗号に力をいれていなく、小まめに暗号を変えるなどの対策をしなかったため、アメリカ軍に解読されてしまったと言われています。アメリカ軍は暗号解読で近い時期に日本海軍の大規模な作戦がある事は把握したのですが、作戦を行う地域までは解読できませんでした。しかし、暗号解読班がいろいろな手を使用してミッドウェー島が作戦地域と確定しました。このやり取りは劇中でも再現されているので、じっくり観賞して下さい。

=🐣ドーントレス爆撃機=

主人公が劇中で搭乗している機体がドーントレス爆撃機になります。急降下爆撃機なのですが、急降下爆撃について簡単に説明します。当時爆撃には水平爆撃と急降下爆撃の2種類がありました。

水平爆撃は水平飛行をしながら爆弾を落としていきます。飛行中の機体から落とされた爆弾は慣性の法則が働き、飛行機と同じ速さで前方に進むため命中率は低くなります。記録映像などで、飛行機から投下した爆弾は真下に落ちるように見えますが、それは爆弾が飛行機と同じ速さで進んでいるからです。もし真下に落ちるようなら、真後ろに吹っ飛ぶような感じで落下していきます。

急降下爆撃とは、水平爆撃での爆弾のズレを極力ださないようにしたものです。可能な限り垂直に近い降下を行いながら爆撃をして、慣性の法則による爆弾のズレを少なくした戦法です。簡単に例えると水平爆撃は時速50kmで走行しているトラックから横に置いてある的にボールを投げるような感じです。急降下爆撃はバンジージャンプをしながら、真下にある的にボールを投げる感じです。恐怖心やボールを投げる体勢は考えない事にすると、どちらが的に当てやすいかは一目瞭然だと思います。

劇中では急降下爆撃のシーンが多くでてくるので、上記を参考にして観賞して下さい。

🐦ドーントレスの模型を下記に載せておきます。参考にして下さい。

ハセガワ 1/48 アメリカ海軍 SBD-3 ドーントレス プラモデル JT19

ハセガワ 1/48 SBD-3 ドーントレス ’ミッドウェー’ 09430 プラモデル

=🐣日本軍の混乱=

劇中では時間の関係もあったので、詳しく説明はされませんでしたが空母上の混乱が敗因になったと言われています。上記で説明しましたが、作戦には島の占領と空母の殲滅2つの目的がありました。第一次攻撃終了後にアメリカ空母が発見されていなかったので、各空母艦内では第二次攻撃の準備をしていました。そこへ空母発見の連絡が飛び込んで来たので、急遽爆弾を魚雷に換装する命令が発令されます。

地上攻撃用の爆弾だと甲板に落ちた瞬間に爆発してしまいます。それでも効果はあるのですが、沈没させるのは難しいです。そのため艦船攻撃の際は魚雷を使用するか、遅延信管を使用して、艦内に爆弾が突入してから爆発するにします。

🐥この武装の換装を巡って、南雲中将と山口少将で意見の対立が発生しますがこれは映画で観賞して下さい。

結局艦内に取り外した爆弾がいっぱいの状態で、攻撃を受ける羽目になってしまい艦上はパニックになってしまいます。作戦目標を2つにしてしまったために起きた混乱の最中に、最悪のタイミングで攻撃を仕掛けられた事が日本海軍の敗因のひとつになっています。

=🐣ミッドウェー海戦の結果=

最初の攻撃で赤城、加賀、蒼龍の3隻の空母が沈められます。運良く攻撃を逃れる事ができた飛龍は、アメリカ空母に向けて艦載機を発進させますが飛龍にもアメリカ海軍機が襲ってきます。飛龍艦載機はアメリカ空母ヨークタウンを撃沈しますが、飛龍も撃沈されてしまいます。ここでミッドウェー作戦は終了となり日本海軍は撤退を開始します。

=🐣まとめ=

映画の評価はあまり高くないのですが、ある程度の歴史背景を知っておくとそれなりに面白く観れます。CG技術はすごいので迫力はありますがノンフィクション映画なので、ドラマ性に欠けたり、登場人物が多い割にはチョイ役が多くて中心人物が解りにくいなどの難点はあります。

以上がミッドウェイに関する説明になります。長くなってしまいましたが、この記事を読んで少しでも面白く観ることができればいいなと思っています。

製作記事の合間に、たまに映画に関する記事を書こうと思っているので、興味のある映画だったら読んでみて観賞の参考にして下さい。

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