プラモデルに関係する映画紹介その12~メンフィス・ベル~

以前B-17の製作をしたので、今回はそれに関係した映画を紹介します。

「メンフィス・ベル」は1990年に公開された映画で、実際にあったメンフィス・ベルという機体を題材にしたものです。当時25回出撃すれば本国に帰還できるという条件下で、最後の出撃に向かうクルーの物語になります。

10人のクルーの物語を、約2時間の本編で映像化しているのでどうしても解りにくい箇所があります。今回は事前に知っておくと「メンフィス・ベル」がより面白く観れるように簡単な説明をしていきます。

🐦️今回説明する映画を下記に載せておきます。参考にして下さい。

Memphis Belle [Blu-ray] [1990] [Region Free]

=🐣ストーリーについて=

無事に25回出撃を完了したメンフィス・ベルという機体は実際に存在するのですが、クルー自体のストーリーはフィクションになります。そのためクルーの名前や経歴、最後のミッションの内容などは実話と異なります。メンフィス・ベルを題材にしたフィクションストーリーだと思って観るのがいいと思います。

=🐣クルーについて=

物語はいきなり最後の出撃前日から始まるため、こちらがクルーの名前や顔を把握する前に出撃してしまいます。爆撃機の物語なので、出撃すると10人のクルーしか画面に出てきませんが、戦闘中は酸素マスクを全員着用しているために誰が誰なのか把握するのは難しいです。

爆撃機の中での位置関係の説明もあまりないので、誰がどこにいるのか解りにくいです。その辺も解りやすいように簡単に説明していきます。説明で使用している写真はG型の機体なので、若干外見が劇中の機体と異なりますが、基本的な内装や機銃の位置は同じなので参考にしてみて下さい。

1.機長 デニス

この映画の中心人物なので、問題なく把握できると思います。劇中で戦闘中に制帽を被っているのは、3人しかいないので、それを目印にすればいい思います。ポジションは写真1の黒丸部分左側の座席です。

2.副操縦士 ルーク

常に機長の隣に座っているので、比較的把握しやすい人物になっています。戦闘中に略帽を被っているのはルークだけなので略帽が目印になります。ポジションは写真1の黒丸部分部分右側の座席です。

3.爆撃手 ヴァル

クルーの中で唯一髭を生やしているので、この人物も把握しやすいです。医学部を卒業している事を冒頭のインタビューでさらりと触れられているのがヴァルで、髭と制帽が目印になります。ポジションは写真1の赤丸部分の座席です。

4.航空士 フィル

戦闘中に地図と定規で航路を計する役目で、出撃前日の夜に酒を飲み「死にたくない」と外で絶叫していたのがフィルです。デニスと同じで制帽が目印になります。ポジションは写真1の青丸部分の座席です。

写真1

以上4人が士官になります。続いて下士官の説明になります。

5.機関士 ヴァージ

冒頭でハンバーガーのチェーン店の計画をダニーに説明していた人物がヴァージです。機関士は戦闘中は写真2の丸で囲んだ機体上部機銃を操作するので、操縦席の後ろにいる事が多いです。そのため劇中では機長と副操縦士の後ろから顔を出して会話する場面が多いので、ポジションを目印にするといいです。

写真2

6.後尾銃座手 クレイ

出撃前日のダンスパーティーでダニー・ボーイを歌ったのがクレイで、尾銃座を担当している人物です。後尾銃座は写真3の丸で囲んだ部分になります。他のクルーと位置が離れているため、比較的一人でいる事が多いので、それを目印にすればいいと思います。

写真3

7.無線士 ダニー

比較的主役に近い役柄なので、機長の次に把握しやすい人物だと思います。ポジションは写真5の赤丸部分になります。戦闘中は写真4の丸で囲んだ部分の機銃も操作しています。カメラを愛用しているので、カメラを目印にすればいいと思います。

写真4

8.旋回銃座手 ラスカル

旋回銃座は機械中央下部から飛び出ている球状の銃座です。前回銃座は狭くて宙吊り状態なので、小柄で勇気のある人物が銃座手として選ばれる事が多いようです。クルーの中では比較的小柄なのでそれを目印にすればいいと思います。ポジションは写真5の青丸で囲んだ部分になります。

9.右側面銃座手 ユージーン

機体中央側面右側の銃座を担当して、縁起とお守りにこだわるのがユージーンです。ポジションは写真5の黒丸部分の右側です。ポジション的に左側面銃座のジャックとの絡みが多いので、ややこしくなりそうですが、帽子から前髪を出しているのがユージーン、前髪が出ていないのがジャックと覚えておくと楽に区別がつきます。

10.左側面銃座手 ジャック

左側面の銃座を担当している人物です。冒頭で軽く少年院に入所経験があると触れただけなので、出撃までは影が薄いですが出撃以降はそれなりに目立った存在になります。前髪の有無を目印にすると解りやすいです。

写真5

以上でクルー説明終了です。鑑賞前に軽く目を通すだけでも、登場人物と位置関係が解りやすくなると思うので、これから観てみようと思う人はちょっと参考にしてみて下さい。

=🐣登場する機体=

登場する機体は全て実機を使用しています。B-17は稼働する機体を3機ほど集めて撮影したそうですが、出撃時の場面はとても3機だけ使用したとは思えないほどの映像になっているので、是非興味のある人は観て下さい。

小さく映っているので目立たないですが、護衛のマスタングも実機を使用しています。さらに敵側の戦闘機としてメッサーシュミットBf-109も出ていますが、こちらも飛行可能な実機を使用しているそうです。当時4機しか存在しなかった可動する機体を3機も使用して撮影したそうで、現在では考えられないような豪華な撮影になっています。

🐦️下記にメンフィス・ベルのプラモデルを載せておきます。参考にして下さい。

ドイツレベル 1/72 B-17F メンフィスベル 04279 プラモデル

HKモデル 1/48 アメリカ陸軍 B-17F メンフィス ベル プラモデル

レジェンド LA7202 1/72 B-17 フライング フォートレス クルー セット

=🐣おまけ=

劇中では最初に25回の出撃を達成する予定という事で、国から取材されていますが、実際は他の基地のクルーが先に25回の出撃を達成しています。

もともと戦意高揚のために記録映画として取材する予定で、最初に目標達成しそうな候補の中からメンフィス・ベルが選ばれました。撮影中に他の機体に先を越されましたが、そのまま撮影を継続して記録映画を完成させ上映してしまったので、世間的にメンフィス・ベルが初の25回出撃した爆撃機として認識されてしまったようです。

=🐣まとめ=

ストーリーはちょっと急ぎすぎで、若干窮屈な感じはありますが、映像は実際の機体を使用しているので今のCG映像とは異なる独特の重量感や迫力があります。とくに離陸直後にふらっと左右に揺れる感じなどは、なかなかCGでは表現できない映像だと思います。

CGのようなスピード感やアクロバットな動きはないですが、ゆっくりながら重量感のある迫力は見所だと思うので、是非興味を持った人は鑑賞してみて下さい。

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