プラモデルに関係する映画紹介その2~フューリー~

製作記事が終了して区切りができたので、今回は再び模型に関係ある映画の紹介をします。

今回はブラッド・ピット主演の戦争映画【フューリー】を紹介します。ちなみにフューリーとは戦車につけたニックネームの事で激しい怒りという意味の単語です。

🐦下記に載せておくので、参考にして下さい。

フューリー(字幕版)

フューリー(吹替版)

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=🐣フューリーについて=

舞台は第二次世界大戦ですが、フィクションなのでドラマ性が強いです。登場人物も実在した人物が出ていないので、特に予備知識がなくても観賞しやすい映画になっています。今回は、知っておくとちょっと違う目線で観賞できるポイントを説明していきます。

🐥公開時は、博物館にある実物の動くタイガー戦車を実際に使用した事で話題になりました。フューリー号も実物を使用しており、最近のCG満載の映画と違い重量感のある映像が楽しめる映画です。

=🐣時代背景=

1945年4月終戦間際のドイツ国内が舞台になっています。ドイツは1945年5月8日に降伏しているので、終戦の約1週間~1ヶ月前の話になります。この作品は丸1日の出来事が映画になっています。最初みた時は、てっきり1~2週間ぐらいの出来事を映画にしていると思っていたのですが、雑誌の記事で1日の物語と書いてあったので、もう一度観賞してみたら確かに丸1日の出来事でした。もし、観る事があったらそこも気にして観てみて下さい。

=🐣戦車について=

1.シャーマン戦車

アメリカ軍の戦車です。破壊力や防御力ではドイツの重戦車に負けていますが、エンジンの信頼性や起動力、生産性に優れていて数でかかれば勝負になるといった運用されていました。シャーマン戦車にもいろいろ形式があり、劇中にもいろいろなシャーマン戦車が登場しています。ちなみにフューリー号は一般的にシャーマンイージーエイトと言われています。

模型ではいろいろなメーカーから発売されているので、映画をみて作りたくなったらいろいろ探してみてください。映画では車内での場面も多くあったので、ライフフィールドモデルから発売されているインテリア再現キットを製作してみるのもいいと思います。

🐦下記に載せておくので、参考にしてください。

ライフィールドモデル 1/35 アメリカ軍 M4A3 76W HVSS シャーマン 中戦車 w/可動式履帯 &フルインテリア プラモデル RFM5042

タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.346 アメリカ陸軍 戦車 M4A3E8 シャーマン イージーエイト ヨーロッパ戦線 プラモデル 35346

M4A3E8 シャーマン イージーエイト 1945 アップデートセット[LF1300]

下の写真1、2のキットは古いドラゴンのキットに上記のアップデートセットを組み込んだ物です。参考にして下さい。

写真1
写真2

2.タイガー戦車

厚い装甲と、破壊力のある主砲で第二次大戦中最強戦車の上位に入る戦車です。今回の映画ではイギリスの博物館にある実物のタイガー戦車が使用されています。タイガー戦車もいろいろ形式があり、劇中の物は初期型になっています。終戦間近で初期型が配備されている事はないのですが、工場にあったものを無理矢理修理して使用したという事があってもおかしくはないので、その辺はあまり気にせず観賞したほうが楽しめます。

タイガー戦車も模型ではいろいろなメーカーから発売されています。映画を観て制作したくなったら、いろいろ探してみて下さい。

🐦劇中に登場したタイガー戦車の模型がドラゴンから発売されています。下記に載せておくので、参考にしてください。

ドラゴン 1/35 WW.II ドイツ軍 重戦車 ティーガーI 第504重戦車大隊 ″131″ チュニジア プラモデ

下の写真3、4は上記のキットを組み立てたものです。参考にして下さい。

写真3
写真4

=🐣SSとは=

主人公の会話で、たまにSSと言う言葉が出てきます。SSとは武装親衛隊の事です。当時のドイツには、国防軍以外に武装親衛隊という軍隊がありました。武装親衛隊は、ヒトラーの親衛隊が発達して大きな軍隊になったようなものなので、SSの兵士は皆ヒトラーを崇拝していると考えられていました。

さらに戦争末期になると、ユダヤ人や民間人の虐殺、捕虜の殺害などSSが関与した事件が次々と明るみに出ました。そのため、連合国兵士からはSSの兵士(とくに将校)は目の敵にされ厳しい対応をされていました。フューリー以外でもSSに関する会話や対応が映像化されている作品は多いので、歴史的にも覚えておいて損はないと思います。

=🐣曳光弾について=

戦闘シーンで、機関銃を撃つ際にスターウォーズのレーザー銃のように、緑と赤の光線が飛び交うシーンが多々あります。劇中のセリフでも説明していましたが、これは曳光弾といって、機関銃の弾薬5~10個の間に1つ混ざっているものです。曳光弾は光を出しながら飛んでいくので、どこに向かって撃っているかが分かるようになります。劇中で光と光の間には、さらに5~10発の弾丸があると思って観ると、とても恐ろしくなります。

🐥劇中でドイツ軍は緑、アメリカ軍は赤の曳光弾になっていましたが、実際は両軍とも無色の光だったようです。

=🐣パンツァーファウスト=

パンツァーファウストと、戦車の乗員が叫んでいるのが数シーンあります。パンツァーファウストとは、携帯型の対戦車兵器で棒状の筒にラグビーボールのような弾頭が付いています。

戦車砲などは砲弾を高速で撃ち出し硬い弾道をぶつける事によって戦車を破壊しますが、そのためには長い砲身と重い弾道が必要になります。しかしそれでは持ち運びができないので、歩兵用に開発されたのが成型炸薬弾です。成型炸薬弾とは、弾頭にすり鉢状に火薬を詰めて、着弾と同時に炸裂する仕組みになっています。

すり鉢状に詰めた火薬が爆発すると、高温のガスが中心部に集中して発生して装甲を溶かし小さな穴を開け、車内に高温ガスをまき散らします。弾道の大きさにもよりますが、車内に入る高温ガスは一瞬なので車内全体を破壊する事はできませんが、乗員や機器にキズをつけて行動不能にする事はできます。車内の弾薬や、引火性の物に当たったなら、爆発や火災を起こすこともあります。

射程距離が短いですが、簡単に持ち運びができて大量に生産されていたので、連合国の戦車兵に恐れられていました。しかし発生する高温ガスは一瞬なので、着弾した箇所と装甲に隙間があれば威力が極端に低下します。当時はそのために、土嚢や丸太などを戦車に搭載して対策をしていました。

🐥現在でも成型炸薬弾は使用されていて、現用車輌のまわりに檻のような柵のアーマーが装着されているのは成型炸薬弾の防御のためです。

=🐣まとめ=

以上の事を知ってから観るとちょっと違う視点で観る事ができます。この作品は大きな作戦目標がなく、ただ戦車兵の1日の出来事を映画にした物です。これが日常だった時が75年前にはあったという事を認識でき、戦争について考える事ができる映画なので娯楽アクション映画を期待している方は避けた方がいいかもしれません。

🐥平和な時代だからこそ、戦車模型を作れたりこのような映画を観ることができるという事を忘れないようにして、日常を過ごしていきたいです。

🐔映画に関する記事一覧を載せておきます。目次代わりに使用して下さい。

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