【初心者向け】フルハルモデルを使用した洋上ジオラマ製作方法(ドラゴン 1/700 アリゾナ)~⑲まとめ編~

前回で製作は終了しました。今回は簡単なまとめになります。

=🐣キットについて=

今回はドラゴンの1/700スケールのアリゾナを使用しました。ちょっと古いキットになりますが、モールドもハッキリしていて良いキットだと思います。

写真1

今回は船体と船底部分は別々にして製作しましたが、仮組みの際に船体と船底を合わせてみたところ、若干合いが悪い箇所があったので普通のフルハルモデルとして製作する場合は、パテなどで処理する必要があります。

船体と船底の取り付けガイドがないので、もしかしたらウォーターラインとして製造したキットに、後から船底を追加して発売された物かもしれないです。このように既存のキットに新規パーツを加えた物は、パーツ同士が上手く合わない事があるので注意して下さい。

写真2

今回はエッチングパーツが付属されている物を使用しましたが、現在発売されているものは、エッチングパーツの代わりに日本海軍の航空機がセットされています。ドラゴンのキットは再販をする際に、付属するボーナスパーツが変更になる事が多いです。1/35シリーズのキットだと既存のフィギュアセットなどが付属される事もあり、思った以上にお得な場合もあります。購入を迷っているキットがあったら、付属するボーナスパーツも選択の対象にしてみて下さい。

写真3

🐦️今回製作したキットを下記に載せておくので、参考にして下さい。エッチングパーツも載せておくので、こちらも参考にして下さい。

=🐣海面プレートについて=

今回はタミヤから発売されている海面プレートを使用しました。これはイベント限定品なので、普通に店舗などでは購入する事はできないです。興味のある方はイベントに立ち寄った際に探してみて下さい。

写真4

なかなか入手が難しい海面プレートですが代用する事は可能です。波形のモールドが入っているアクリル板や、透明アクリル板にジェルメディウムや市販の海面シートを貼り付けて海面を再現する事が可能です。

🐥海面シートを貼り付ける場合は透明度の高いボンドを使用して、空気が入らないようにして下さい。

写真5

裏面に少し濃い目にしたフラットベースを吹き付けて、表面をザラザラした感じにする事で、透明度の調節も可能になります。自作だと自分好みの海面を製作する事できるという利点もあるので、興味のある方は海面プレートを自作してみて下さい。

🐦️下記に市販されている海面シートと波板状のアクリル板を載せておきます。参考にして下さい。

=🐣洋上ジオラマについて=

水のジオラマとなると透明レジンを思い浮かべますが、艦船模型で透明レジンを使用するのは結構難しいです。透明レジンは透明度が高いので、水深の浅い浜辺や小川などの再現には向いていますが、今回のように深さのある状態を再現するのは難しいです。

写真6

海面プレートは、水の着色や硬化時間、重量などを気にする必要がないので比較的簡単に洋上ジオラマを製作する事が可能です。

クリアーブルーに着色したプレートから入ってくる光を利用して海中の色を再現するので、海底部分に色の変化を付けるだけで様々な海中の色を表現する事が可能です。光の量や見る位置によって勝手に海の色が変化するので、簡単に製作できる割にはそれ以上の効果があると思います。

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海面プレートを通してみた状態を想像しながら製作をするので、ちょっと頭を使いますが、そういった事を考えながら製作するのは結構楽しいです。海面プレートを乗せた時に、海中が思った通りの色になった時はかなり気持ちがいいです。

写真9

海面プレートを使用する際にネックになるのはプレート自体の厚さです。船体に合わせた穴を開けてそこに船体を通せば解決できるのですが、それはかなりの重労働だし正確な大きさの穴を開けるという技術も必要になります。薄い透明プラ板を海面にするというのもひとつの手段ですが、今回のような大型艦船だと強度が不安になってしまいます。

なので、海面プレートの厚さは工夫を凝らして、波や小物などで誤魔化してみて下さい。 最初から誤魔化していくと決めておけばと、それに合わせた情景を考えていくので、製作中に慌てる事が少なくなります。塗装でも上手く隠す事ができるので、いろいろと誤魔化す方法を考えて製作してみて下さい。

写真10

製作中に気付いたのですが、海中から見た状態もなかなか面白いです。今回は四方をプラ板で囲んでしまいましたが、一面を着色した透明プラ板にするのもいいと思います。

写真11

側面から見えるようにすると、海底などの表現が難しいですが、覗く方向が限られるので見えない部分を省略する事も可能です。また、見えない部分を利用して真鍮線などを仕込めば、海中に浮いている魚なども表現できるので、水族館的な情景も再現できると思います。

潜水艦や沈没船を主役にすれば、海中がメインになるジオラマも製作可能になります。海中にある物体がどのように見えるか考えながら製作するのも楽しいと思うので、興味を持った方は是非挑戦してみて下さい。

=🐣まとめ=

フルハルモデルはどうしても展示方法が限られてしまいますが、船底パーツを上手く利用すれば洋上ジオラマも製作可能です。海面からぼんやりと見える船底などは、フルハルモデルでしか再現できないと思います。

フルハルモデルの洋上ジオラマはずっと製作してみたいと思っていたので、以前から製作方法などを色々と考えていました。そのため、途中で迷ったりする事は少なくスムーズに製作が進行しましたが、後からあれこれやってみたい事が色々と頭に浮かびました。次回製作する機会があったら試してみたいと思います。

今回のように、フィルター的な物を通して見える光景を考えながら製作するというのは、思った以上に楽しいです。艦船模型以外でも色々な情景に利用できると思うので、興味を持った人は挑戦してみて下さい。夏休みの工作としても使えると思うので、工作の案が出なくて困っている人はちょっと参考にしてみて下さい。

🐔今回の記事一覧を下記に載せておきます。目次代わりに使用して下さい。

【初心者向け】フルハルモデルを使用した洋上ジオラマ製作方法(ドラゴン 1/700 アリゾナ)

~①準備編~

~②台座の製作編その1~

~③台座の製作編その2~

~④台座の製作編その3~

~⑤船体の加工編~

~⑥船体の組み立てと塗装編その1~

~⑦船体の組み立てと塗装編その2~

~⑧船体の組み立てと塗装編その3~

~⑨船体の組み立てと塗装編その4~

~⑩船体の組み立てと塗装編その5~

~⑪船体の組み立てと塗装編その6~

~⑫船体の仕上げ作業編その1~

~⑬船体の仕上げ作業編その2~

~⑭小型艦船の製作編~

~⑮海面と船体の取り付け編~

~⑯船底の取り付けと隙間埋め~

~⑰白波の製作編~

~⑱仕上げ作業編~

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