前回は基本塗装について説明をしました。今回は汚し塗装になります。
🐔前回の記事を下記に載せておきます。参考にして下さい。
【初心者向け】軍用トラック製作方法(AFVクラブ M54A2 ガントラック)~⑧基本塗装編~
今回製作しているキットを下記に載せておきます。参考にして下さい。
AFVクラブ(AFV CLUB) 1/35 ベトナム戦争 アメリカ陸軍 M54A2 5t ガントラック プラモデル
=🐣汚し塗装について=
タイヤ付きの車両は道路など舗装された場所を走行するので、状況にもよりますが基本的には戦車ほどドロドロな汚れは付着しにくいです。
今回はエナメル塗料とピグメントを使用して、乾いた感じの汚し塗装を行います。
汚し塗装はコントロールが難しいので、一度の作業で行おうとすると上手くいかない事が多いですが、付着と拭き取りを何度も繰り返していくと勝手に深みのある汚れになっていきます。
汚し塗装が上手くいかなくて悩んでいる人はちょっと参考にしてみて下さい。
=🐣汚し塗装の前に=
ヘッドライトやワイパーなどを接着してから、汚し塗装を行うようにして下さい。汚し塗装後に接着すると、全体が汚れているのに、後付けしたパーツだけきれいになってしまうので注意して下さい。
=🐣土埃の付着=
まずは土色のピグメントやパステル粉を車体に付着させます。この後何度も拭き取りと付着を繰り返すので、特別慎重になる必要はないです。適当な感じで全体に土埃を付着させて下さい。
ピグメントを付着させた状態が写真1~3になります。

ベトナムは赤土っぽいイメージがあるので、やや赤みのある感じにしたピグメントを付着させています。先が大きくて柔らかい筆を使用すると、ピグメントを全体に付着させやすいです。

タイヤの溝にピグメントが溜まるように土埃を付着させます。表面だけ付着させて、溝の部分が汚れていないと不自然になってしまうので注意して下さい。

=🐣スミ入れ=
スミ入れをします。基本色が黒なのでスミ入れ自体の効果はあまりないですが、土埃の拭き取りとちょっとした色の変化を出すために行います。
タミヤスミ入れ用塗料ダークブラウンを使用してスミ入れを行います。エナメル溶剤を付けた筆でスミ入れ用塗料を拭き取るのですが、スミ入れした部分だけでなく土埃も軽く拭き取るようにして下さい。拭き取りの際は筆を上から下に動かすようにします。そうすると、拭き残したスミ入れ塗料や土埃が、汚れが流れたように見えるので自然な感じになります。

筆に付ける溶剤の量を変えれば、土埃の微妙なコントロールも可能です。多めに溶剤を付けると土埃が流れてしまうので、表面に残る土埃は少なくなります。また、筆の溶剤を少し拭き取って半乾きの状態で拭き取りをすれば、表面に土埃が残りやすくなります。

タイヤなどは表面を半乾きの筆で数回拭き取りをすれば、溝にだけ土が詰まっている状態も表現できます。

土埃を溶剤でコントロールできれば汚し塗装の幅も拡がります。この後、付着と拭き取りを繰り返すので、失敗しても溶剤で拭き取ってしまえば問題ないです。まずは、いろいろと試してみて、どのような感じで土埃が残るか感触を確かめてみて下さい。
=🐣土埃の付着=
スミ入れ塗料の拭き取りついでに、土埃も拭き取ってしまったので、パステル粉やピグメントでもう一度土埃を付着させていきます。
土埃の色調を変えたくなりますが、先に付着させた土埃と同じ物でも大丈夫です。パステル粉やピグメントは溶剤に浸すと微妙に色調が変化します。さらに、拭き残した土埃はスミ入れ用塗料とも混ざっているので、新たに同じ土埃を付着させても微妙に色合いが異なります。
もちろん、土埃の色調を変えて付着させても問題ないですが、面倒な人は最初に使用したパステル粉やピグメントを使用して下さい。
再び土埃を付着させた状態が写真7~11になります。

二度目の付着あたりから、土埃の状態を少しずつコントロールしていきます。車体下部や足周りなど、土埃が多く積もりそうな場所に少し多めに付着させるようにしてみて下さい。失敗しても、溶剤で拭き取ったり流したりできるので、あまり失敗は気にせず作業をして下さい。



荷台部分にも同様の作業をする事を忘れないようにして下さい。

付着と拭き取りの繰り返し作業になるので、少し面倒ですが作業自体は簡単です。塗りではなく拭き取りで汚しの形や濃さを整えていくので、失敗してもやり直しが可能になります。
この後の作業でも付着と拭き取りを繰り返していきますが、このくらいでOKと感じた時点で終了するようにして下さい。自分の理想の汚れ状態でストップする事も重要なので、やり過ぎには注意するようにして下さい。
今回はここで終了です。次回は汚し塗装の続きになります。