前回で製作は終了しました。今回は簡単なまとめになります。
今回使用したキットが2機セットだったので、比較的入手しやすいタミヤとクレオスの2種類の塗料を使用して銀塗装に挑戦してみました。
=🐣タミヤアクリル塗料X11クロームシルバー=
水性塗料はラッカー系やエナメル系よりも、メタリックの粒子が大きくてラメっぽい仕上がりになりやすいです。
今回はタミヤアクリルのX11クロームシルバーを使用してみました。結論から言うと、航空機の金属表現は厳しいです。銀の粒子が大きくてギラギラした感じがかなり出てしまい、金属感よりもラメ感が強い感じでした。
ただし、下地塗装で変化を付けたので、多少は金属感のある感じになりました。下地塗装を白、黒、茶で変化をつけてみましたところ、レッドブラウン2で下地塗装をした箇所が一番金属の質感が出ていた感じがします。
もし、タミヤアクリル塗料で銀塗装を行うなら、下地塗装で茶色の面を多くすると金属の質感を出しやすくなると思います。
コーティングとスミ入れをする事によってツヤが整えられて、多少は落ち着いた感じになりますが、ギラギラした感じは残ってしまいます。今回のような小スケールで、デカールが多い機体だとギラギラ感が誤魔化せるので、お勧めという訳でもないですが使用するのも有りだと思います。
ただし、デカールが少なく金属面の面積が多い機体や、1/48以上の戦闘機、カーモデルなどはギラギラ感が解決できないのでやめた方がいいと思います。
=🐣クレオス水性ホビーカラーH8シルバー=
銀の粒子が細かいので、こちらの方が金属表現の塗装に向いています。白下地よりも、黒や茶色の下地の方が金属の質感がでる感じがします。黒や茶色の下地部分を増やすとより金属的になると思います。
見る角度や光の当たり具合によっては、ラメのギラギラ感が目立つ場合がありますが、逆にまったく気にならない角度もあります。光の加減や、角度によって変わってくると思うので、方向を意識しながら完成品を飾ればより見栄えがよくなると思います。
塗膜は結構強い感じがしましたが、スミ入れをするので一応クリアーコーティングをしました。クリアーコーティングをすると、少し輝き具合が変わってくるので注意して下さい。自分が求めている金属感がいい具合に表現出来ていたら、コーティングやスミ入れをせずに完成にしてもいいと思います。
1/32の大スケールモデルだと、少しギラギラした感じが気になりそうですが、1/48、1/72ぐらいなら問題ないと思います。下地を黒にすれば1/24のカーモデルの塗装で使用するのも可能だと思います。
=🐣問題点=
今まで製作した航空機は、過去の記事を見ていただければ解るようにすべてツヤ消し仕上げにしています。デカールを貼り付けた後に、ツヤ消しクリアーを吹き付けているので全体がツヤ消しになります。
🐥博物館などに展示してある物はピカピカですが、実際に運用されている時の写真だと汚れや劣化などでツヤが消えている機体の方が多いです。どんな仕上げにするか迷うところですが、自分の好みで仕上げてみるのが一番良いと思います。
水性塗料だけの問題点ではないですが、デカールや機体の塗り分け部分のみをツヤ消しにしたい場合は工夫が必要になります。
機体の光沢はそのままで、デカールや塗り分け部分をツヤ消しにしたい場合は、その部分にツヤ消しコーティングをする必要が出てきます。塗り分け部分はなんとかなりそうですが、デカール部分はちょっと難しそうです。
そのうちに1/72スケールで金属塗装をしてみたいと思っているので、それまでに解決法を考えてみます。
=🐣まとめ=
健康面や作業環境の都合で、ラッカー系塗料が使用できないという人も多いと思います。ラッカー系が使えないけど、金属感のある銀塗装をやってみたいと思っている人は今回の記事を参考にしてみて下さい。
ピカピカの鏡面仕上げは難しいですが、それなりの金属感のある仕上がりになります。
水性塗料で銀塗装をする時のコツや注意点を書いておきます。今回の製作で感じた事なので参考にしてみて下さい。
①クレオス水性ボビーカラーH8シルバーがお勧めです。
②下地が白よりも黒や茶色の方が金属の質感が出ます。
③クリアーコーティングをすると輝きが少し変化します。
④使用後のエアブラシはしっかり洗浄して下さい。
⑤コーティングをすれば、デカール軟化剤のハードタイプを使用しても塗料に影響はありません。
⑥スミ入れもコーティング塗装をすれば可能ですが、拭き取りは素早く行った方がいいと思います。
以上になります。
🐦下記に銀塗装の機体を製作できるキットをいくつか載せておきます。参考にして下さい。
タミヤ 1/72 ウォーバードコレクション No.89 日本陸軍 川崎 三式戦闘機 飛燕 1型丁 プラモデル 60789
タミヤ 1/72 ウォーバードコレクション No.49 アメリカ陸軍 ノースアメリカン P-51D マスタング プラモデル 60749
タミヤ 1/72 ウォーバードコレクション No.70 アメリカ空軍 リパブリック P-47D サンダーボルト バブルトップ プラモデル 60770
🐦メタリック塗装について詳しく説明してある本を下記に載せておきます。ラッカー系がメインですが、水性塗料についても解りやすく説明してあるので、メタリック塗装に興味のある人は読んでみて下さい。
メタリック塗装 攻略のメソッド 2022年 04 月号 [雑誌]: モデルアート 増刊 雑誌 – 2022/3/24
今回の記事はこれで終了になります。やってみると結構面白いので、気になる人は是非銀塗装に挑戦してみて下さい。
🐔今回の記事一覧を下記に載せておきます。目次代わりに使用して下さい。