前回の製作記事で戦艦アリゾナを製作したので、アリゾナに関する映画をちょっと紹介してみたいと思います。真珠湾攻撃を題材にした作品は以前紹介した「トラ・トラ・トラ」が有名ですが、今回は2001年に製作された「パール・ハーバー」紹介します。
🐦️今回紹介する映画を下記に載せておきます。参考にして下さい。
=🐣「パール・ハーバー」について=
2001年に公開された映画ですが、真珠湾攻撃を扱った映画としては比較的新しい映画になります。実機を大量に使用したり、当時最新のCG技術を使用した迫力のある映像で真珠湾攻撃を再現しています。その一方で、史実としての考証面はかなり辛い所が多く、賛否が大きく分かれる映画になってしまいました。
考証面が気になってしまう人は、当時の世界観と似た異世界物語の映画として観ればそこそこ楽しめると思います。
「トラ・トラ・トラ」はアメリカ映画なのに日本人目線から観ても大丈夫かなと思えるほど、アメリカ側の不備や油断が招いた一方的な敗けを描いています。それが原因で興行的には奮わなかったようです。しかし、「パール・ハーバー」は真珠湾攻撃後のドゥーリトル空襲でしっかり一矢報いた所で終わらせて、アメリカらしい映画に仕上げたため興行的には成功したようです。
アメリカらしい映画にするために、善悪をハッキリさせたようで21世紀の映画にしては珍しく、かなりの悪役として日本海軍を表現しています。謎のプールで作戦会議をする様などは、怪しいカルト教団っぽい雰囲気を全面に出していて、なかなか凄い物があります。
その辺も当時の世界観とよく似た異世界の物語だと考えて観れば妙に納得できるので、うーんと困ってしまった人は上手く頭を切り替えて観てみて下さい。


🐔今回紹介する映画に関係する模型の製作記事を下記に載せておきます。参考にして下さい。
【初心者向け】フルハルモデルを使用した洋上ジオラマ製作方法(ドラゴン 1/700 アリゾナ)~①準備編~
=🐣ストーリーについて=
ストーリーは細かい考証面にこだわっていないので、ドラマ性が強いものになっています。そのため、史実を知らなくてもストーリーに沿って観れば、最後まで普通に観れる映画になっています。ちょっとドロドロした恋愛ストーリーも入っていますが、日米をハッキリ善悪に分けたので、比較的解りやすいストーリー構成になっていると思います。
=🐣映像について=
戦闘場面は実機を使用した部分とCGを使用した部分に分かれます。
CG部分は当時の艦船や状況をシッカリと再現していて、真珠湾攻撃を表現した映像としてはかなり良く出来ていると思います。
実写部分は実機を飛ばしているので、CGとは違う迫力があります。艦船の間をギリギリですり抜ける場面などはCG映像だと思っていたのですが、メイキング映像を観ると本当に実機を飛ばしていました。実物の機体なのに、なかなか攻めた使い方をしているので、当時の戦闘機に興味のある方はちょっと観てみて下さい。
実機の迫力を伝えたいのか、かなりの場面に実機が登場します。発艦シーンは現存する空母の飛行甲板に実機を乗せて撮影をしています。爆破シーンは古くなって退役した実物の艦船を使用していますが、 退役した艦船といっても真珠湾攻撃からかなりの年月が経ってから就役した艦船なので、形状が当時の艦船よりもかなり現代的な形状になっています。
こういった部分は、こだわりがある人だとかなり気になると思いますが、2000年代でここまで実機が大量に使用されている映画は珍しいと思うので、実機の迫力を体感するための演出だと思って観て下さい。
=🐣登場する兵器=
アメリカ陸軍機として、P40、B25が登場します。この2機種は現存する飛行可能な機体が多いので、おそらく本物だと思われます。英国防衛戦の場面でスピットファイアが登場しますが、これもそれなりに飛行可能な機体が多いので本物だと思います。
🐦️今回紹介した映画に登場するアメリカ陸軍機と空母の模型を下記に載せておきます。参考にして下さい。
ハセガワ 1/48 アメリカ陸軍 戦闘機 P-40E ウォーホーク
タミヤ 1/700 ウォーターラインシリーズ No.705 アメリカ海軍 航空母艦 ホーネット
零戦は現存する飛行可能な機体を3機ほど集めて撮影をしたそうです。しかし、どれも後期型のようで真珠湾攻撃当時の物とは若干細部が異なります。また、零戦がグリーンに塗装されていますが、真珠湾攻撃当時は白色に塗装されていました。さすがに復元機の色を塗り直す事は難しかったようです。真偽は不明ですが、零戦と言えば緑が有名なので、解りやすいようにあえて緑色にしたという話もあります。
日本海軍の艦上爆撃機や艦上攻撃機で、現存する飛行可能な機体は無いので、劇中の機体はレプリカもしくはCGだと思われます。
🐦️今回紹介した映画に登場する日本海軍機を下記に載せておきます。参考にして下さい。
タミヤ 1/72 ウォーバードコレクション No.80 日本海軍 三菱 零式艦上戦闘機 21型
艦船はさすがにCGで再現されている物が多いですが、艦上シーンは記念館として残されている当時の戦艦を使用して撮影を行ったそうです。また、劇中で転覆するオクラホマは実物大セットを使用して撮影をしています。船体後部だけがセットで他の部分はCG表現になりますが、それを知った上で観てみると迫力が増すような気がするので、視聴する機会があるなら注目して観てみて下さい。
=🐣最後に=
公開時は考証面でいろいろ批判される事が多かった作品ですが、CG主流の現在からみると実写にこだわった貴重な映画だと思います。考証面では粗が目立ちますが、実機の迫力を表現するという点では文句無しだと思います。
当時でもCG技術はかなり高かったはずなのに、あえて実写にこだわって撮影をしたというのは評価する点だと思います。実機をCG画像と見間違えるほどに、攻めた使い方をしている映画も珍しいです。このような、ある意味贅沢と言える映画は、今ではもう製作されないと思うので興味のある人はちょっと観てみて下さい。
ただし、180分の大作なので時間に余裕がある時の視聴をお勧めします。
🐔映画に関する記事一覧を載せておきます。目次代わりに使用して下さい。
映画の楽しみ方について
プラモデルに関係する映画紹介その1~ミッドウェイ~
プラモデルに関係する映画紹介その2~フューリー~
プラモデルに関係する映画紹介その3~遠すぎた橋~
プラモデルに関係する映画紹介その4~トップガン~
プラモデルに関係する映画紹介その5~プラトーン~
プラモデルに関係する映画紹介その6~ダンケルク~
プラモデルに関係する映画紹介その7~ブラックホーク・ダウン~
プラモデルに関係する映画紹介その8~トラ・トラ・トラ~
プラモデルに関係する映画紹介その9~プライベート・ライアン~
プラモデルに関係する映画紹介その10~連合艦隊~