前回は迷彩塗装の説明をしました。今回は細部塗装になります。
🐔前回の記事を載せておきます。参考にして下さい。
【初心者向け】簡単!迷彩塗装のコツ(ドラゴン 1/35 タイガーⅠ初期型)~⑤ブラウン系の迷彩塗装編~
=🐣塗装剥がれ表現=
通常は下地塗装の時に塗装剥がれ表現を付けるのですが、今回は冬季迷彩をしても目立つように、塗装が終了してから行います。
ちぎった台所用スポンジにXF63ジャーマングレイを付けて、叩くような感じで車体の角などの塗料剥がれがありそうな箇所に、写真1、2のように塗っていきます。
🐔スポンジを使った塗装法について、詳しく説明した記事を下記に載せておきます。参考にして下さい。
🐥塗料剥がれ表現はエナメル塗料を使用すると、失敗した時に溶剤で拭き取る事ができるので、今回はエナメル塗料で作業しています。コーティング塗装をすれば、エナメル塗料での簡単なスミ入れにも影響しないので、慣れていない人にはエナメル塗料を使用する事をお勧めします。
=🐣細部塗装とデカール貼り=
装備品や、予備のキャタピラ、排気管などを塗装します。キャタピラ部分に基本塗装などが付いてしまった場合は、やや薄めにしたXF1フラットブラックで修正します。
細部塗装が終了したら、写真3、4のようにデカールを貼ります。
デカール貼りが終了したら、ツヤを整えて、表面を保護するために、タミヤアクリル塗料のXF86フラットクリアーで全体をコーティング塗装をします。
=🐣細部塗装のコツ=
ここで、簡単な細部塗装のコツを説明します。
1.ペリスコープの塗装
ペリスコープとは、ハッチを開けずに前方が見える装置です。鏡を使用した潜水艦の潜望鏡と同じ原理のものです。そのため、外部に出ている部分と、覗く部分はガラス面になっています。
古いキットだと普通のプラスチックパーツなので、ガラス部分はツヤ有りのブラックで塗装すれば問題なかったのですが、最近のキットはペリスコープ部分がクリアーパーツになっているため、ガラス部分にマスキングが必要になります。マスキングが面倒な人向けに簡単な塗装法を説明します。
写真5左下の運転手ハッチの裏側に付いている出っ張りがペリスコープです。マスキングなしで基本塗装を吹き付けた状態になっています。
ペリスコープ部分を写真6のようにXF1フラットブラックで塗装します。ガラス面部分はブラックで塗装しないようにしますが、ガラス部分にはみ出しても問題ないので、あまり気にせず塗装していきます。コーティング塗装を行うまでに、ここまでの作業を進めておきます。
コーティング塗装が終了したら、写真7のように爪楊枝の先端でガラス面を擦り塗料を剥がします。アクリル塗料は塗膜が弱く、さらにエアブラシで塗装したため、塗膜も薄くなっている状態なので、少し力を入れれば剥がれます。
🐥爪楊枝で引っ掻いて塗料を剥がすので、多少小さいキズが付きます。ペリスコープぐらいの大きさだと目立たないですが、車のヘッドライトなどの大きいクリアーパーツはマスキングした方がいいです。
車体外部にあるペリスコープのガラス部分も同じように、爪楊枝でガラス部分の塗料を剥がします。
🐥コーティング塗装によってクリアーパーツが曇ってしまうので、必ずコーティング塗装が終了してからガラス面の塗料を剥がすようにして下さい。
2.木製部分の塗装
装備品の木製部分や、木箱などは普通はブラウン系の色で塗装しますが、塗装での濃淡がつけにくいので仕上がりが単調になりやすいです。簡単に単調にならずに塗装できる方法を説明していきます。
まずは写真8のように装備品の木製部分に、タミヤエナメル塗料のXF59デザートイエローを塗ります。
🐥筆塗りしやすいのでエナメル塗料を使用していますが、アクリル塗料でも問題ないです。塗りやすさは個人的な感覚なので、筆塗りしやすい塗料で塗って下さい。
次にX26クリアーオレンジで、写真9のように木製部分に木目のような感じで細い線をつけていきます。太すぎると上手く木目の感じがでないので、なるべく1㎜以下の線になるようにします。細くし過ぎても、後で木目表現が目立たなくなるので注意して下さい。コーティング塗装までに、ここまでの作業を終了させておきます。
コーティング塗装が終了したら、タミヤエナメル塗料のXF64レッドブラウンを溶剤を多めに加えて薄めにしてから、木製部分に塗っていきます。軽くフィルターをかけるように塗っていきます。薄かったら2~3回上塗りして色を着けていきます。
コーティング塗装をしていますが、何度も筆を動かすと下の塗料が剥がれてしまうので、塗料をのせる感じで塗装します。上塗りをする場合は、必ず先に塗った塗料が乾いてからにします。溶剤を多めにしているので、塗料が浮きやすくなっています。乾かないうちに重ね塗りをすると、塗料が剥がれてしまうので注意して下さい。
薄めたレッドブラウンを塗装した状態が写真10になります。うっすらと木目のような模様が下に残るので、単調な感じではなくなります。
簡単な細部塗装のコツを説明しました。ペリスコープのマスキングや、木製部分の塗り方に悩んでいる方は参考にしてみて下さい。
3色迷彩ならば、ここでスミ入れと汚し塗装をして終了になります。この後に冬季迷彩をするので、スミ入れと汚し塗装は冬季迷彩終了後に行います。
ここから冬季迷彩をしていきますが、迷彩塗装としての製作記事は次回のまとめで終了になります。
🐦下記に載せた資料本は、塗装図以外にも各車両の装備品と取り付け位置などが図で解説されています。タイガーⅠ初期型戦車を何両か製作したい人は一冊持っておくと便利だと思います。ちなみに今回製作したS04号車も、冬季迷彩をしていない状態で載っています。
ティーガーI 初期型 (ミリタリー ディテール イラストレーション)
タイガー戦車の模型製作に役立つ本を、下記に載せておきます。こちらも参考にして下さい。
タンクモデリングガイド タイガー戦車の塗装とウェザリング 2019年 10 月号 [雑誌]: モデルアート 増刊
今回はここで終了です。次回はまとめになります。