山城の製作が終了したので、映画紹介をしたいと思います。今回は2017年に公開されたダンケルクについての説明です。
🐦下記に今回説明する映画を載せておくので参考にして下さい。
=🐣ダンケルクについて=
第二次世界大戦で、フランスでおきたダンケルクの奇跡を描いた映画です。イギリス、フランスでは有名な話なのですが、日本では戦史好きの方は知っていますが、一般的にはあまり知られていない事柄です。
劇中では特に史実の説明がないので、予備知識なしでこの映画を観るのは、戦史に詳しい人以外はちょっと厳しいです。観ようと思っているけど、ダンケルクの奇跡については知らないという人が、少しでも面白く観れるように説明していきたいと思います。
=🐣ダンケルクの奇跡=
1940年5月、ドイツ軍はフランス侵攻を開始しましたドイツ軍の攻撃によって、フランス軍とフランスに駐留していたイギリス軍40万人はダンケルクという町に追い込まれて包囲されてしまいます。
イギリスはこの包囲された兵士を救うために、国中のあらゆる船、(観光船、漁船、ヨット)などを動員して救出作戦を行いました。それによって33万人以上の将兵をイギリスに連れ帰ることができました。これをダンケルクの奇跡といいます。
=🐣映画を面白く観るために=
ダンケルクの奇跡については簡単に説明しましたが、それだけでは足りない事が多いので、いくつか細かく説明していきます。
1.敵は空軍のみ
包囲されている割には、激しい地上戦にはなりません。最初にイギリス兵が銃撃から逃げるシーンがありますが、ダンケルクの浜にたどり着くと航空機による爆撃はありますが、地上からの攻撃はほぼありません。
これは、ドイツ空軍の最高責任者のゲーリングが、ダンケルクに包囲した部隊は空軍だけで制圧する事が可能とヒトラーに進言したため、一時的に陸軍の進行が止まり、空軍のみの攻撃が始まりました。
しかし、ドイツ空軍自体もこれまでの戦闘で大きな損失があり、組織的な大規模な攻撃をする事は不可能な状態でした。これも奇跡の一つ原因になっています。
2.フランス兵
フランス兵もイギリス兵と一緒にダンケルクに敗走しましたが、イギリスに撤退となった時に問題が起きました。一分一秒を争う時に、フランス兵までイギリスに連れて行けるのかという問題です。結局、フランス兵はイギリス兵の後に連れて行くという事になりました。劇中でフランス兵とイギリス兵が揉める場面があるのは、そういった経緯があるからです。
3.地形
ダンケルクは浅瀬が多く、駆逐艦や大きな輸送船はダンケルクに接岸する事ができませんでした。そのため、小さな輸送船で兵士を運ぶ事になります。小さな輸送船でも桟橋は必要になるので、干潮時を利用して軍用トラックなどで臨時の桟橋を作りあげた話もあります。桟橋が重要な生命線になっている事も大事なポイントになります。
小さな輸送船だけではキリがないので、沖合に駆逐艦や大型の輸送船の待機させておき、動員した漁船や観光船で、沖合の輸送船まで兵士を繰り返し運びました。
4.イギリス空軍
ダンケルクの友軍を守るために、イギリス空軍も動き出します。ダンケルクはイギリス空軍の空港から、行動範囲内だったので、比較的長い時間滞在可能でしたが、それでも帰りの燃料を心配しながら戦わなくてはいけませんでした。
=🐣登場する機体について=
地上戦がないので、戦車や装甲車は出てきません。イギリス空軍の戦闘機スピットファイアと、ドイツ空軍の戦闘機メッサーシュミット(Bf109)、爆撃機ハインケルが主になっています。
爆撃機は左右の翼にエンジンが付いているので、劇中でも判別しやすくなっています。劇中のメッサーシュミットは識別用に機首が黄色く塗装されているので、これを目印にして観るとどちらの戦闘機なのか解りやすくなっています。
🐦下記に今回映画に登場した航空機のキットを載せておきます。参考にしてください。
タミヤ 1/72 ウォーバードコレクション No.48 イギリス空軍 スーパーマリン スピットファイア Mk.I プラモデル 60748
タミヤ 1/48 傑作機シリーズ No.50 ドイツ空軍 メッサーシュミット Bf109E-3 プラモデル 61050
タミヤ イタレリ 121 1/72 ハインケル He111 H-6 プラモデル
🐥実際にメッサーシュミットの機首が識別用に黄色く塗装されたのは、ダンケルクの奇跡から少し後になってからです。模型を正確に再現したい方は注意して下さい。
=🐣まとめ=
約1時間40分程の映画なので、当時の状況に関する説明はほとんどないです。そのため、実在した政治家や高級将校などを場面に入れて、強引に解説するシーンはなく、全編脱出に向けての緊迫した映像になります。予備知識がないと解らないシーンが多いですが、必要最小限の知識を入れておけば、楽しめる映画だと思います。
本編は陸、海、空もエピソードで話が進んで行きます。最後にそれぞれの話が交わるという事はないので、それぞれ別のエピソードとして観ていけば問題ないです。
🐥日本映画に例えると、幕末の池田屋事件を題材にした映画で、冒頭から池田屋に突入して、回想シーンなどでこれまでの経緯を説明する事もなく、池田屋での戦いが終了したと同時に映画が完結してしまう感じです。池田屋事件の歴史的全容を知りたい人にはもの足りないですが、池田屋事件のみの精細を知りたい方は面白く感じると思います。ダンケルクは、そのような映画だと思うと納得して観ることができると思います。
🐔映画に関する記事一覧を載せておきます。目次代わりに使用して下さい。
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