前回はⅡ号戦車の油絵具もどき塗装について説明をしました。今回は仕上げ作業になります。
🐔前回の記事を下記に載せておきます。参考にして下さい。
【初心者向け】エナメル塗料で行う油絵具もどき塗装(タミヤ 1/35 Ⅰ号戦車 Ⅱ号戦車)~⑥油絵具もどき塗装編(Ⅱ号戦車)~
🐦️今回使用したポーランド戦線のⅡ号戦車キットは、2025年現在カタログ落ちしています。フランス戦線のⅡ号戦車は普通に流通しているのでそちらを下記に載せておきます。興味のある方は参考にして下さい。
タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.292 ドイツ陸軍 II号戦車 A~C型 フランス戦線
=🐣パステル粉の付着=
汚し塗装を行いますが、やり過ぎると油絵具もどき塗装で行った表面処理が目立たなくなるので注意して下さい。
土色のパステル粉やピグメントを付着させて砂埃を再現します。付着させ過ぎないようい注意しながら、乾いた筆でパステル粉を表面に付着させます。

=🐣オイル汚れ=
オイル汚れやシミを加えていきます。オイル汚れ用の塗料にスミ入れ用塗料を加えればツヤのコントロールができます。ツヤを少なめにすれば古い感じのオイル汚れやシミ、ツヤを多めにすれば新しいオイル汚れやシミに見えるようになります。
ツヤを控えめにした古いオイル汚れを加えた状態が写真2、3になります。後でエナメル溶剤を使用して形を整えるので、汚れの形状はあまり気にしないでオイル汚れやシミを加えたい箇所に塗っていきます。

🐔オイル汚れ用塗料の製作や、オイル汚れの付着、拭き取りについて詳しく説明した記事を下記に載せておきます。こちらも参考にしてみて下さい。
【初心者向け】汎用パーツでディテールアップする方法(タミヤ 1/35 ドイツⅣ号戦車G型初期生産車)~⑯汚し塗装編その3~

エナメル溶剤でオイル汚れの形や濃さを調節します。ツヤを抑えたい場合は、拭き取りに使う溶剤に少量のフラットベースを混ぜればツヤを抑える事ができます。
溶剤で軽く汚れ全体を拭き取れば汚れが薄くなります。縁をぼかすと古い汚れやシミに見えるので、細い筆などを使用して上手く縁をぼかします。失敗してもエナメル溶剤で拭き取れるので、オイル汚れの付着からやり直す事ができます。
古いオイル汚れの調節が終了した状態が写真4、5になります。


溶剤で汚れを整える際に、先に付着させたパステル粉が滲んでしまう場合があります。それはそれで良い感じになるのですが、滲みの範囲が大きい場合や、自分のイメージと合わない場合は滲んだ部分をエナメル溶剤で拭き取ったり周囲に流す感じで拡げていきます。
パステル粉で砂埃を表現する場合、一度の付着で終わらせようとすると全体が粉っぽくなってしまいます。付着と拭き取りを繰り返して行うと、深みが出て粉っぽさが軽減されます。粉っぽくなるのが嫌な人は、付着と拭き取りを繰り返してみて下さい。
=🐣排気管の塗装=
排気管を写真6のようにパステル粉で汚します。排気管は塗料を使うよりも黒や茶色系のパステル粉やピグメントで塗装した方が、焼けた感じの鉄を表現しやすいです。
🐔パステル粉を使用した排気管の汚し塗装の方法を説明した記事を下記に載せておきます。こちらも参考にして下さい。

=🐣フィギュアの配置=
フィギュアを写真7のように塗装します。戦車兵のフィギュアはキット付属の物を使用しています。
🐔フィギュアの製作や塗装について詳しく説明した記事を下記に載せておきます。参考にして下さい。
【初心者向け】フィギュアの塗装法(タミヤ 1/35 アメリカ歩兵偵察セット)~①準備編~

ツヤを多めにした新しいオイル汚れ塗装を加えます。縁をハッキリした方が新しいオイル汚れに見えるので、新しいオイル汚れは形を意識して塗装するようにします。失敗しても拭き取ってやり直せば問題ないので、気楽な気持ちで作業して下さい。
最後にもう一度軽く土色のパステル粉を付着させて、フィギュアを乗せれば完成になります。


=🐣完成=
これで完成になります。

エナメル溶剤を先に塗って面ごとやパネルごとに油絵具もどき塗装をしたので、Ⅰ号戦車の時のように拭き残した塗料の跡が残ってしまう事は無くなりました。。

油絵具もどき塗装のおかげで、単色塗装ですが表面に深みが出たと思います。



面やパネルごとに作業をするのは少し面倒ですが、それなりの仕上がりになったと思います。手間はかかりますが作業自体は簡単なので、Ⅱ号戦車程度の大きさなら1時間程度で全体の表面処理をする事が可能です。
エナメル塗料を使用した油絵具もどき塗装は、油絵具を使用した表面処理には興味はあるけど、道具や行程を増やしたくない人にはピッタリの塗装法だと思うので、興味のある方はちょっと試してみて下さい。航空機などの模型にも使えると思うので、単色塗装が単調になってしまうと悩んでいる人は是非挑戦してみて下さい。
=🐣おまけ=
ドラゴンから発売されているポーランド戦線用のフィギュアが手元にあったので、それを使用してジオラマにしてみました。
大戦初期のフィギュアは組み合わせる車両が限定されてしまうため、使用する機会がどうしても少なくなってしまいます。組み合わせができる車両を組み立てた際には、遠慮なく使用してみて下さい。

芝を敷き詰めてフィギュアを配置しただけの簡単なジオラマですが、どうしてもフィギュアや地面に視線が向かってしまうので、車両の表面処理が単体で飾るよりも目立たない感じになってしまいました。

ジオラマにする場合は単色塗装でも無理に表面処理をする必要はないと思うので、飾る状況によって表面処理の有無を決定するのもありだと思います。




今回はここで終了になります。次回は簡単なまとめになります。
