①と②では道具と作業前の準備について説明しました。③からは実際に組み立てと塗装を行ってみたいと思います。
キットの中身です。パーツが多いですが、使わないパーツも多いので簡単に組めます。駆逐艦と軽巡洋艦の武装パーツは共通のランナーを使用しています。そのため、使用しないパーツが多くなります。駆逐艦には艦載機が搭載できないのに、艦載機のパーツが入っているのはそのためです。
説明書です。これを元にして組み立てていきますが、今回は手順を変更して作製します。筆塗りの場合、組み立てと塗装を同時にやった方が作業しやすいため、今回は区画ごとに完成させていく方法で行います。
【船体の組み立て】説明書だと、船体の組み立ては行程②になっていますが、部品の紛失防止、塗装、モチベーションアップのため先に作ってしまいます。
=船体上部と下部の接着=バラストを挟みながら、船体上部と下部を接着します。バラストとは、重りのことで完成後に船体が反るのを予防したり、完成後手に持った時に程よい重量感を出してくれます。
バラストは接着しなくても、上下のパーツで固定されるので乗せるだけで大丈夫です。接着したとき、パーツの接着面から接着剤がはみ出る箇所が出てくると思います。乾いたあとに、ナイフで軽くカットできるので、指紋が付いたり、部品が溶けてしまうのを防ぐため乾燥するまで触れないようにして下さい。
=錨の取り付け=錨の部品は1mm程の小さい部品です。お持ちの方はピンセットを使用する事をお勧めします。
錨の接着は、接着剤付属のハケが大きすぎて、大量の接着剤がはみ出します。ハケに付いた接着剤を爪楊枝の先端に軽く付けて、船体の錨をつける場所に軽く乗せます。その上から、錨の部品を乗せていくと上手くいきます。
接着面が小さい時はこのようなやり方だと、きれいに仕上がるのでお勧めです。
【船体上部の塗装】船体が完成したら、塗装です。
=リノリウム部分の塗装=リノリウム部分をXF64レッドブラウンで塗装します。リノリウムとは木片や油脂を加工してシート状にしたもので、駆逐艦や、巡洋艦などによく使われている素材です。
このようにリノリウム部分を平筆で塗りました。リノリウム以外の所は滑り止めのモールドがあるのでモールドがない場所を塗ります。多少ムラが出てもいいので、塗り残しの無いように塗ります。
=船体上部構造物の塗装=これはXF53ニュートラルグレイとXF63ジャーマングレイを2対1の割合で混ぜたものを塗ります。これが基本的な船体色になります。
調合の簡単な方法を説明します。調合スティックで塗料を取る時、ホットケーキを作るように丸い形で塗料皿にのせます。同じように混合する塗料を同じ大きさの丸い形にしてのせます。これを混ぜれば1対1になります。
上の写真は2対1の混合です。多少大きさが違っても問題ありません。このやり方だと簡単に混合塗料が作れます。
リノリウム以外の場所を船体色で全て塗ります。塗料がリノリウム部分にはみ出しても、後で上からレッドブラウンを塗って補修するので気にせず塗り残しの無いように塗ります。側面は後で塗るので船体上部のみ塗って下さい。これで、船体上部の『リノリウム部分』と『船体上部構造物』のベース塗料は終了です。
次回は船体上部の塗装の続きと前部構造物の組み立てになります。
🐔今回の記事一覧になります。目次代わりに使用して下さい。
初心者向け艦船模型製作方法 【アオシマ 陽炎】① ~道具準備編~
初心者向け艦船模型製作方法 【アオシマ 陽炎】② ~作業準備編~
初心者向け艦船模型製作方法 【アオシマ 陽炎】④ ~組み立て 塗装編(船体前部)~
初心者向け艦船模型製作方法 【アオシマ 陽炎】⑤ ~組み立て 塗装編(船体中部)~
初心者向け艦船模型製作方法 【アオシマ 陽炎】⑥ ~組み立て 塗装編(船体後部)~
初心者向け艦船模型製作方法 【アオシマ 陽炎】⑦ ~仕上げ塗装編~
初心者向け艦船模型製作方法 【アオシマ 陽炎】⑧ ~汚し塗装編・完成~