前回はエンジンカウのデカール貼りを説明をしました。今回はデカール貼りの続きになります。
🐔前回の記事を下記に載せておきます。参考にして下さい。
【初心者向け】水性塗料で行う航空機のシルバー塗装法(タミヤ 1/72 P-47D サンダーボルト)~⑧デカール貼り編その1~
=🐣デカール貼り=
前回からの続きになります。
2.主翼下面の国籍マーク
主翼下面の国籍マーク部分は、平面なので貼りにくい訳ではないのですが、薬莢の排出口や爆弾のパイロンなど障害物があります。
説明書の塗装図を参考にして、国籍マークを写真1のように貼り付けます。補助翼にかかる部分のデカールは別になっているので、最初に貼り付けた部分に合うように貼ります。軟化剤を使用してしっかり密着するようにして下さい。
次にパイロンの向こう側のデカールを貼ります。この部分は別になっているため、デカールを切断する必要がなく貼りやすいデカール構成になっています。
写真1でも解るように下面には薬莢排出口が4つあります。この上からデカールを貼る事になるので、その対処法を説明します。
先にデカールを貼る部分に軟化剤を塗ってから、写真2のように国籍マークの右側部分を貼り付けます。位置がしっかり合うように注意して下さい。
貼り終えたら軽く綿棒を上から押し当てて、排出口がどの部分にあるのか簡単に確認してから、排出口部分に写真3のように軽くナイフなどで切り込みを入れます。
切り込みを入れた部分にハードタイプの軟化剤を塗ります。しばらくしてデカールが柔らかくなったら、爪楊枝で排出口にかかるデカールを裏側に押し込むようにします。デカールが柔らかくなっているので、写真4のようにフチがハッキリ出ます。
穴の開いた部分のデカールは切り取るよりも、軟化剤を使用してデカールを柔らかくしてから穴に押し込めてしまった方がきれいに仕上がります。軟化剤を使用しないで作業をすると、デカールが切れてしまったりシワができたりするので注意して下さい。
押し込んだデカールが外から見えてしまう場合は、上から黒色などで塗るか、ピンセットなどで取り除けば大丈夫です。
3.機体下部のライン
機体下部の白黒ラインはフランス侵攻作戦の際に敵味方識別用として塗装されたものです。ノルマンディー上陸作戦直後は主翼、機体後部にラインがありましたが、制空権が確保されると徐々にラインを消す機体が多くなったようです。
デカール貼りが苦手な人は、1944年8月以降の機体とすれば白黒ラインのデカールを貼らなくても問題ないと思います。機体後部のラインだけ残している機体もあるので、今回は機体後部だけデカールを貼る事にします。
機体後部のラインは国籍マークに合わせて円形になっている箇所があります。デカールを使用しないで塗装で再現しても良いのですが、円形にマスキングをするのは面倒なのでデカールを使用します。
デカールは左右で2分割されています。写真5の丸で囲んだ部分は排気口と後脚格納部の隙間に貼る部分なのですが、細く貼り難いので写真6のように切断してしまいます。切断したデカールの部分は後で塗装で表現します。
写真7のようにデカールを指定された位置に貼ります。左右に分かれているので、白黒のラインが大きくズレないようにして貼ります。曲面のためシワができてしまい、どうしても上手く密着しない箇所が発生しますが、エンジンカウルの時と同じように軟化剤を使用して強引に密着させてしまいます。
左右の白黒ラインが合う事に気を取られてしまうと、機体側面部分の位置がおかしくなる場合があります。白黒ラインは写真8のように少しズレても後で修正できるので、左右のデカールをピッタリ合わせるよりも機体側面の位置に気をつけて貼るようにして下さい。
強引に密着させた部分は写真9のように、ヒビ割れやシワの段差ができてしまいますが、後で塗装で修正するのであまり気にしないで、デカールを密着させる事と貼る位置に重点を置いて作業をします。
段差になってしまった部分はデカールは少し乾いた時点で、ナイフで軽く削っておきます。乾く前だと作業中にデカールの位置がズレてしまう場合があるので注意して下さい。
4.その他のデカール
先に説明したデカール以外は、特に問題なく貼る事ができます。説明書の塗装図を参考にして、パネルラインなどを目印にして正しい位置に貼るようにして下さい。プロペラや爆弾部分にもデカールを貼る必要があるので忘れないように注意して下さい。
🐦下記に貼り付けたツールを使用すると、航空機などデカールの多いキットのデカール貼り作業が楽になるのでお勧めです。作業時間の短縮にもなるので参考にして下さい。
プラモ向上委員会 水転写デカール用 デカーリングQuickトレイ (樹脂製ピンセット・曲線ハサミ付属) ホビー用工具 PMKJ008
デカール貼りが終了した状態が写真10、11になります。
緩やかな曲面なら問題ないですが、角度のある曲面にデカールを貼ると、どうしても密着できない箇所が発生してしまいます。角度のある曲面にデカールを上手く貼る事はかなりの技術が必要なので、ここで失敗して製作が止まってしまう人も多いと思います。
そこは3次元の曲面に2次元のデカールなんて上手く貼れるわけがないと割り切って、きれいに貼ろうと考えずに塗装で修正する事を前提にして、貼る位置に重点をおいた方が上手く貼れると思うので、曲面のデカール貼りで困っている方はちょっと参考にしてみて下さい。
今回はここで終了です。次回は修正作業とコーティング塗装になります。
🐔今回の記事一覧を下記に載せておきます。目次代わりに使用して下さい。