前回は船底の接着と隙間埋めについて説明をしました。
🐔前回の記事を下記に載せておきます。参考にして下さい。
【初心者向け】フルハルモデルを使用した洋上ジオラマ製作方法(ドラゴン 1/700 アリゾナ)~⑯船底の取り付けと隙間埋め編~
🐦️今回製作しているキットを下記に載せておきます。エッチングパーツも一緒に載せておくので、こちらも参考にして下さい。
プラッツ ドラゴン 1/700 WW2 1941年12月8日 真珠湾攻撃 アメリカ 戦艦 アリゾナBB-39 & 日本 九七式艦上攻撃機 2機 付属
トムスモデル 1/700 艦船用エッチング 米海軍 戦艦 アリゾナ用
プラッツ/フライホーク 1/700 WW.II アメリカ海軍艦船用 手すり エッチングパーツ
=🐣白波の製作=
白波は写真1のタミヤテクスチャーペイント雪を使用して製作します。テクスチャーペイントには粉雪タイプもありますが、雪の方がザラザラしているので波っぽい雰囲気を出しやすいです。自分のイメージに合った素材を使用してみて下さい。
🐦️今回使用したテクスチャーペイントを下記に載せておきます。参考にして下さい。
タミヤ(TAMIYA) メイクアップ材シリーズ No.119 情景テクスチャーペイント (雪 ホワイト) 100ml

テクスチャーペイントを塗料皿に出した状態が写真2になります。乾燥するとツヤが消えた状態で、写真2よりもザラザラした感じになります。

乾燥するとツヤ消しでザラザラした状態になるので、そのままだと航行波や大波などで発生する大きな白波のような感じになります。このまま使用するとちょっと荒れた海のような感じになってしまうので、少し手を加えて濃さの調節と湿り気を出す事にします。
塗料皿に乗せたテクスチャーペイントに、写真3のように前回隙間埋めに使用したジェルメディウムを加えます。加えるジェルメディウムの量によって白波の表情が変わってくるので、いろいろと試してみて下さい。加える量が多いほど白波が薄くなっていきます。
ジェルメディウムを加えたらしっかりと撹拌します。

🐦️下記に今回使用したジェルメディウムを載せておくので、参考にして下さい。
リキテックス アクリル絵具 リキテックス ジェルメディウム 50ml 透明
製作した白波を写真4のように波を加えたい部分に盛り付けます。ジェルメディウムが白色なので、最初は真っ白に見えますが乾いてくると写真5のように少し湿った透明感のある白波になります。

白波の湿り具合や透明感は加えるジェルメディウムの量によって変わっていきます。自分のイメージした波になるように調節してみて下さい。

波を盛り付けるコツはジェルメディウムの色に惑わされないようにする事です。ジェルメディウムは乾燥すると透明になりますが、それまでは濃い白色になっています。そのため、ジェルメディウムを多く加えた場合、盛り付けた状態と乾燥した状態で大きく白色具合が異なります。乾燥した状態を考えて盛り付けをしてみて下さい。
ジェルメディウムは完全乾燥まではそれなりの時間がかかりますが、薄く塗った場合20~30分経過すると徐々に透明感が出てきます。乾燥した状態が想像できない場合は、試しに製作した白波を軽く盛り付けて、20~30分経過した状態を見てジェルメディウムを加える量を決めてみて下さい。
穏やかな海面でも写真6のように、少しだけ白波を加えると海っぽく見えます。塗装や隙間埋めに失敗した部分も白波で隠す事ができるので、海面付近でちょっとアラが目立つような箇所は白波を盛り付けてみて下さい。

航行波を利用して写真6、7のように、船首や船尾に発生した船底との継ぎ目部分をごまかしていきます。航行波が船首や船尾に当たるように波を加えていきます。


🐦️今回はジェルメディウムを加えていますが、KATOから発売されている大波小波でも代用可能です。大波小波は最初からクリアーな状態なので、波の濃さを調節しやすいです。下記に載せておくので参考にして下さい。
KATO ウォーターシステムシリーズ 大波小波 24-349 鉄道模型用品
=🐣泡波の表現=
船首や船尾の航行波は泡立った感じの強い白波が発生します。この泡波はテクスチャーペイントの雪をダイレクトに盛り付けて表現します。
泡波を加えたい部分にテクスチャーペイントを盛り付けます。テクスチャーペイントの雪は乾燥するとツヤ消し状態になるので、広範囲に盛り付けると全体がもっさりした感じになります。強い白波を加えたい部分のみに盛り付けるようにして下さい。
泡波を盛り付けた状態が写真9~11になります。

テクスチャーペイントが盛り付けにくい場合は、アクリル溶剤や水を少量加えて少しサラサラな状態にすれば盛り付けやすくなります。ここでジェルメディウムを加えてしまうと、ツヤが出たり泡波のザラザラ感が低下してしまうので注意して下さい。


航行波以外でも写真12~14のように、ちょっと波を強調したい部分に泡波を加えると海上の表現に変化が出ます。

白波や泡波は乾燥しても、ピンセットなどで摘まんで剥がすことが可能です。木工用ボンドのようにペリペリとは剥がれませんが、少し力を入れて引っ張れば少しずつ剥がす事ができるので、気になる箇所は部分的に剥がして大きさや形を調節してみて下さい。


白波の製作が終了した状態が写真14、15になります。


🐥波や雪を表現する素材はいろいろありますが、ガラス粉や石英などの鉱物的な物を使用している素材がお勧めです。重曹などでも表現可能ですが、吸湿性のある粉末だと時間の経過によって変色や形状の変化が発生してしまう事があります。長いこと飾りたいと思っている作品には、経年劣化しにくい鉱物的な素材の使用をお勧めします。
=🐣おまけ=
これはおまけですが、海中から下を覗いた状態が写真17になります。これはこれでちょっと神秘的な感じがします。今回は側面を閉じてしまうため、制作中にしか見れない景色になるのでちょっと載せてみました。

こういった景色に興味が出た人は、側面の一部を透明プラ板や透明アクリル板で製作してみて下さい。一面だけ透明にすれば見る方向が限られるので、真鍮線などで魚を固定しても目立たないように工夫する事が可能になります。水族館のような情景を再現する事も可能だと思うので、興味が出た方はちょっと挑戦してみて下さい。
今回はここで終了です。次回は仕上げ作業になります。