前回は筆ムラについて説明しました。今回は重ね塗りについて説明します。
🐔前回の記事を下記に載せておきます。参考にして下さい。
=🐣重ね塗りについて=
一度の筆運びだけでは色がしっかりと着かないので、筆塗りは何度か重ね塗りをする必要があります。しかし、重ね塗りは筆ムラと同じように、筆塗りにとって避けて通れない大きな難関です。今回は重ね塗りの簡単なコツを説明するので、重ね塗りが上手くいかなくて悩んでしる人は参考にして下さい。
=🐣重ね塗りのコツ=
下記に重ね塗りの簡単な4つのコツを説明するので、ちょっと参考にしてみて下さい。
1.乾燥時間をしっかりとる
下地が乾かないうちに重ね塗りをすると、下地が溶けて表面がめちゃくちゃになってしまった経験がある人は多いと思います。
それを防ぐために乾燥時間をしっかり確保する事が大事です。筆塗りだと、塗膜の厚さが不均一になっているので、表面上乾いているように見えても、塗膜が厚い箇所は乾いていない場合があります。エアブラシのように塗料を吹き付ける訳ではないので、半乾燥状態だと筆運びによって下地が溶け出してしまいます。
可能ならば筆塗りの場合は、乾燥時間を1日程取った方が良いです。基本塗装の際は、休日などで2~3時間とって作業をするよりも、1日30分にして3~4日に作業を分けた方が効率が良いです。
大型キットでなければ、単色の基本塗装は30分程度で終了します。そんなに早くはできないと思うかもしれないですが、特別丁寧に塗る必要はないので30分程度で可能です。前回説明したように筆ムラの向きだけ気をつけて塗装をします。
乾燥のため次の日以降に2回目の塗装をします。これも1回目と同じように筆ムラの向きに注意して重ね塗りをします。さらに1日置いてから3度目の筆塗りをします。もう既に2度塗っているため、それなりに塗膜が出来上がっています。そのため3度目以降は、重ね塗りをした方が良いと思う箇所だけに塗装します。
納得がいくまで重ね塗りを繰り返しても良いのですが、塗膜が厚くなり過ぎても困るので、できれば4回程度にしておいた方が良いです。全体的に2回、気になる部分だけで2回といった感じにして下さい。
2.溶剤とリターダーは入れすぎない
溶剤は塗料を薄めるために使用するもので、リターダーは塗料に混ぜると乾燥時間を遅くする性質があるので、筆塗りがやりやすくなるツールです。だったら入れても問題ないと思うでしょうが、溶剤もリターダーも塗料を溶かし出す作用があります。
いくら乾燥時間を1日とったとしても、溶剤やリターダーを多く混ぜた塗料で重ね塗りをすると、下地が溶け出す可能性が通常よりも高くなるので注意して下さい。最初に塗る場合は下地は関係ないので、リターダーを混ぜても問題ないです。
3.筆運びは2回まで
重ね塗りの場合、できれば1回、多くても2回の筆運びにして下さい。何度も筆を動かすと、溶剤やリターダーを混ぜてなくても下地が溶け出す可能性があります。重ね塗りは筆運びの回数が少ない程きれいになるので、2回の筆運びで上手くいかなかった箇所は次の日に回すようにして下さい。
4.塗料を変えて塗装する
航空機や戦車模型で、ライン部分などの塗り分け塗装が必要な場合があります。濃い色なら比較的簡単に色が着きますが、白や黄色などの色は下地が透けてしまい、なかなか上手く塗装できません。何度も筆を動かすと下地が溶け出して、白いラインに下地の塗料が浮き出てしまう場合があります。
そういった塗り分けが上手くいかない時は、塗料の性質を利用します。ラッカー系塗料は上からエナメル塗料とアクリル塗料を塗っても溶け出す事はないです。エナメル塗料の場合はアクリル塗料、アクリル塗料はエナメル塗料を重ね塗りしても下地に影響する事はないです。
この性質を利用してアクリル系やラッカー系で行った基本塗装の上から、エナメル塗料で白ラインなどを塗装します。これなら、何度筆を動かしても下地が溶け出す事がないです。塗り分け部分は、失敗しても溶剤で簡単に吹き取る事ができるエナメル塗料を使用すると、ラインがはみ出した場合にも対応できます。
🐥海外のエナメル塗料は乾燥してしまうと、溶剤を使用しても拭き取れない物があるので、外国製のエナメル塗料を使用する時は事前にきれいに拭き取れるか確認してから使用して下さい。
以上4点が簡単な重ね塗りのコツになります。人によって塗料や塗り方などが異なるので、筆塗りすべてに当てはまるわけではないですが、重ね塗りで迷っている人は参考にしてみて下さい、
今回はここで終了です、次回はちょっとした応用塗装の説明になります。
🐔今回の記事一覧を下記に載せておきます。目次代わりに使用して下さい。