前回は車体内部の塗装を説明しました。今回は車体の組み立てとマスキングになります。
🐔前回の記事を下記に載せておきます。参考にして下さい。
【初心者向け】装甲兵員輸送車両の製作方法(ゲッコーモデル 1/35 M76オッター前期型)~④車体内部の塗装編その2~
=🐣車体の組み立て=
車体は箱組みなので、仮組みをしながら慎重に組み立てて下さい。車体後部は特に問題ないですが、車体前部は形状やパーツ分割が複雑なので隙間やズレが発生しやすいです。

箱組みはパーツ接着時の小さなズレが重なって、大きなズレを発生させる事が多いです。今回のように内部パーツがある車両は、さらに発生しやすいので注意が必要です。
こういった場合には干渉するガイド部分を削って修正する方法が一番簡単です。ガイドなしの箱組にしてしまえば 、思った以上に隙間や歪みが解消できます。接着ガイドが見えにくい位置にあるならガッツリ削っても大丈夫です。強度に若干不安がありますが、しっかり接着剤を付ければ問題ないです。
エンジンは付属していないですが、車体前部にはエンジンルームが再現されています。このエンジンルームの隔壁が接着ガイドになっているのですが、この部分が外装パーツに干渉してしまいます。この隔壁部分を写真2、3のように大きく削って外装パーツを接着します。

隔壁を外装パーツに合わせて削るのではなく、パーツに触れないようにガッツリ削ってしまいます。下手にガイドを残して強度や接着位置を確保しようとすると、上手くパーツが収まらないので完成後に見えない箇所ならガッツリ削っておきます。

接着ガイドを削ってしまうと、接着角度が少しズレてしまう場合があります。パーツ同士の角度が上手く合わない時は、接着面の裏側などを削って調節して下さい。
写真4のようにフロントガラス側面部分に合わせ目が発生します。ここはモールドのようにも見えるので、気にならない人は無理に処理する必要はないですが、気になる人はパテなどで処理をして下さい。

干渉する部分を削ってもパーツが上手く収まらない場合は、ぴったり嵌める事よりも、パテでの修正がしやすくなるようにシフトて接着した方がきれいに仕上がります。ズレや隙間の状況を見て判断して下さい。
=🐣車体内部のマスキング=
内部パーツのある車両で、最も面倒なのが車体内部のマスキングです。この作業が嫌でハッチを閉状態で製作した人も多いと思います。今回は大型ハッチの簡単なマスキング方法を説明します。
写真5は車体後のパーツになります。小さいハッチはちぎったティッシュを詰めておけば大丈夫なのですが、大型ハッチのマスキングはちょっと面倒です。

大型ハッチは写真6のように、内側にマスキングテープを貼ってマスキングをします。内側から貼ってしまうと剥がす時に面倒そうですが、塗装後に外側からピンセットなどで押せば簡単に剥がれます。
開口部が小さいと押し込んだマスキングテープを取り出すのは難しいですが、開口部が大きいと簡単に取り出す事ができます。裏側からマスキングテープを貼ればいいだけなので、マスキング作業も簡単です。粘着部分が開口部で丸出しになってしまいますが、触れなければ問題ないです。気になる場合は紙などを貼り付けて下さい。

ここで注意する点は接着面とマスキングテープの距離です。写真7は運転席ドア部分のフレームで、この部分に内側からマスキングテープを貼ってしまうと、接着面と近いため接着剤がマスキングテープとパーツの隙間に接着剤が流れしまう場合があります。
そうなるとマスキングテープが剥がれなくなったり、その部分の塗料が接着剤によって剥がれてしまう場合があります。流し込み接着剤は流動性が高いので、通常の接着剤よりマスキングテープの間に流れる危険性が増すので注意して下さい。接着面から2mm程度の距離を保てない箇所は、外側からのマスキングをお勧めします。

写真8、9は車体側面の組み立てが終了した状態になります。先に汚し塗装をしたので、パーツ同士の接着部分が少しきれいな状態になっています。

汚れは隅に溜まりやすく、このままだとちょっと不自然な感じがするので汚し塗装を加えます。接着剤がはみ出した場合も同様の作業をしてはみ出しを処理します。

まずは接着剤が乾燥するまでしっかり放置します。接着剤がはみ出してしまった場合も焦らず同様に乾燥するまで放置します。接着剤が乾燥する前に手を出すと、塗膜がめちゃくちゃになってしまうので焦らずしっかり放置して下さい。
接着剤が乾いたら接着部分にスミ入れやオイル汚れを加えます。少し濃いめのオイル汚れを加えれば、接着剤のはみ出しも誤魔化す事が可能です。湿った感じがいやなら、上からパステル粉を付着させれば少し乾いた感じになります。
接着面に汚し塗装を加えた状態が写真10、11になります。


完成するとほとんど見えないですが、一度気になってしまうと完成後も気になる部分だと思うので、ちょっとでも気になった場合は汚し塗装を加えてみて下さい。
接着剤のはみ出しなども、汚し塗装を加えれば上手く誤魔化す事ができます。修正作業としての汚し塗装も上手く利用してみて下さい。
今回はここで終了です。次回は車内の組み立てとマスキング作業の続きになります。
🐦️今回製作しているキットを下記に載せておきます。参考にして下さい。
ゲッコーモデル 1/35 アメリカ M76 オッター 水陸両用貨物輸送車 前期型
🐔今回の記事一覧を下記に載せておきます。目次代わりに使用して下さい。