【初心者向け】塗装で行うデカールの修復方法~その3~

前回は塗装で行うデカールの修復について説明をしました。今回は修復箇所を目立たなくする方法を説明します。

🐔前回の記事を下記に載せておきます。参考にして下さい。

【初心者向け】塗装で行うデカールの修復方法~その2~

=🐣コーティング作業=

タミヤアクリル塗料XF86フラットクリアーを全体に吹き付けてコーティング塗装をします。コーティングはデカールや塗膜の保護をするだけなくツヤを整える効果もあります。

塗装によるデカール修復はツヤを整える事が重要で、修復部分のツヤが周囲と同じになれば多少の色違いは隠す事ができます。ツヤ消し、光沢、半光沢などがあるので、製作する機体にあったコーティングをするようにして下さい。

コーティング塗装でツヤを整えた状態が写真1~8になります。

写真1

コーティング用のトップコートはスプレータイプの物も発売されているので、エアブラシを持っていない方でもツヤの整えは可能です。

🐦️下記にアクリル塗料やエナメル塗料に重ね塗りができるスプレータイプのトップコートを載せておきます。参考にして下さい。

写真2
写真3
写真4
写真5
写真6

機体下面は無塗装状態を表現するために銀塗装をしています。そのため、つや消しで全体をコーティングしてしまうと、銀塗装の光沢がなくなってしまうので、日の丸の部分だけにフラットクリアーを吹き付けています。機体下面のため多少はみ出した程度なら目立たないので、マスキングは無しでデカールの部分だけに吹き付けをしています。

写真7

どうしてもマスキングをしたい場合は、テープを使うとデカールが剥がれる可能性があるので、日の丸と同じ大きさの円をくりぬいた紙などを当ててマスキングをして下さい。

写真8

塗装が剥がれて重ね塗りで補修した時も、上からコーティングをすれば補修跡を目立たなくする事が可能です。補修跡が目立ってしまった場合はツヤを整えてみて下さい。

=🐣退色表現=

退色表現をする事で大判デカール自体に色褪せたムラを作ります。今回は航空機なので退色表現にしましたが、泥はねやオイル汚れやシミなどの汚し塗装でも問題ないです。

別の色を使用して汚しや退色表現のムラを作ってしまえば、デカールの修復跡が目立たなくなります。

スミ入れが終了したら、タミヤエナメル塗料XF55デッキタンを溶剤で多めに薄めた塗料を、写真9のように退色表現を加えたい部分に塗っていきます。筆は前から後ろに動かして塗るようにして下さい。

写真9

デッキタンを塗ったら、軽くエナメル溶剤を付けた筆で拭き取っていきます。拭き取る際は筆を前から後ろに動かすようにすると、吹き残しが汚れの流れのように見えます。

拭き取り作業が終了した状態が写真10、11になります。全体的に色褪せた感じになるので、修復跡がさらに目立たなくなります。

写真10
写真11

モールド部分にデッキタンが流れてしまったので、パネルラインが白っぽくなってしまいました。白さが気になる箇所はもう一度軽くスミ入れをしてモールドをはっきりさせます。スミ入れ塗料を拭き取る際も筆を前から後ろに動かすようにして下さい。

スミ入れが終了した状態が写真12、13になります。

写真12
写真13

=🐣塗装剥がれ=

タミヤエナメル塗料XF16フラットアルミで塗装剥がれを表現します。修復跡が目立つ部分にフラットアルミを塗って塗装剥がれとして誤魔化す事も可能です。

今回はコーティングと退色表現で修復跡を隠す事ができたので、デカール部分にはあまり塗っていませんが、修復跡が目立つ箇所があるなら塗装剥がれ表現で隠す事も可能です。

塗装剥がれは最初の段階でやり過ぎると、全体を同じ感じにする必要があるので後半で面倒になりがちです。やり過ぎに注意して程よい感じになるようにして下さい。コクピット左側はパイロットが出入りするので、周囲よりも塗装剥がれを強めにしています。

塗装剥がれ表現を加えた状態が写真14~16になります。

写真14
写真15
写真16

最後に細部塗装をして、排気管付近に黒のパステルで煤の流れを付けて完成です。排気管付近にデカールあるなら、煤などで修復跡を隠す事も可能です。

写真17
写真18
写真19

=🐣完成=

これで完成になります。退色表現や汚し塗装などを加えるとかなり修復跡を誤魔化す事が可能になります。きれいな状態で完成させたい場合は、コーティング塗装のみで隠す事になりますが、完成させたい状態に合わせて修復跡を隠してみて下さい。

写真20

近づくと補修跡の凹凸が解る部分もありますが、近づいて見えないような箇所に飾っておけば大丈夫です。完成後に補修跡がどうしても気になってしまう方は、棚の後ろ側などに飾って遠目で見るようにしてみて下さい。

写真21

デカールが剥がれてしまったり欠けてしまうと、一気にテンションが落ちてしまいますが、修復法さえ知っておけばそれほどの精神的ダメージを受ける事はないので、もしもの時は参考にして下さい。

写真22
写真22
写真23
写真24
写真25
写真26

🐦️今回使用しているキットを下記に載せておきます。同社の別売りシートベルトを付属して再販される予定なので、興味のある方は参考にして下さい。

今回の記事はこれで終了です。デカール貼りは難しいですが、劣化した際の修復方法、失敗した時の修復作業や修復した箇所を目立たなくする方法を知っておけば気楽に作業をする事ができます。デカールの修復で困った時は今回の記事を参考にしてみて下さい。

🐔今回の記事一覧を下記に載せておきます。目次代わりに使用して下さい。

【初心者向け】塗装で行うデカールの修復方法

~その1~

~その2~

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