前回はデカールの修復作業について説明をしました。今回は塗装によるデカールの修復について説明をします。
🐔前回の記事を下記に載せておきます。参考にして下さい。
🐦️今回使用しているキットは同社の別売りシートベルトを付属して再販される予定です。下記に載せておくので参考にして下さい。
ファインモールド 1/48 航空機シリーズ 帝国陸軍 一式戦闘機 隼三型 甲
=🐣デカールの補修について=
デカールが正しくきれいに貼れた状態を100とした場合、補修をすると90~70程度の出来になるという事を意識しておくと気楽に作業ができます。あくまでも補修なので、限りなく100に近づける事も可能だと思いますが、100以上にする事は難しいです。多少不出来になるのは当たり前だと思って、肩の力を抜いて気楽に作業を進めるようにして下さい。
=🐣めくれたデカールの修復法=
写真1のようにめくれてしまったデカールを修正していきます。デカールを貼った直後なら軟化剤とデカールのりでなんとかなりそうですが、後日作業を再開しようとした段階で気付いたので、乾燥してデカールが固くなってしまいました。この状態だと貼り直して修正するのは難しいので塗装で修正していきます。
🐦️デカール軟化剤とデカールのりを下記に載せておきます。参考にして下さい。
TAMIYA マークフィット ハードタイプ メイクアップ材シリーズ

ナイフなどを使用してめくれてしまった部分だけを、写真2のように切り取ります。のりが効いている部分は塗装時のガイドになるので無理に削り取らないようにして下さい。

残ったデカールをガイドにして、塗料を塗って写真3のように筆塗りで修正していきます。多少色合いが異なっても最後にコーティングでツヤを整えれば目立たなくなるので、ピッタリ同じ色合いにしなくても近い色であれば大丈夫です。

赤や青は下地の影響を受けにくいですが、白や黄色は下地が透けてしまうので上手く着色できない事が多いです。重ね塗りをしても、先に塗った塗料が溶け出して上手く塗れない場合もあります。
そういった場合は塗料を2種類使用してみて下さい。今回、機体の基本塗装はアクリル塗料で行ったので、まずはアクリル塗料の塗膜に影響しないエナメル塗料のフラットイエローで黄色のラインを補修していきます。色ムラは気にしないで、デカールを剥がした部分がきれいなラインになるように塗装をします。
エナメル塗料が乾いたら、今度はエナメル塗料の塗膜に影響しないアクリル塗料で重ね塗りをします。はみ出さないように先に塗ったエナメル塗料のラインに重ねて塗っていきます。2度塗りの時点でかなりハッキリ色が着いてきますが、色ムラなどが気になる場合はこの作業を繰り返して、ちょうど良いと思ったところで終了して下さい。
今回はエナメル→アクリル→エナメルで3度の重ね塗りをしています。
左側の尾翼マークも同様の作業で補修しています。



機体側面の国籍マークも同様のやり方で補修していきます。白い部分はエナメル→アクリル→エナメルの3度塗りをしています。重ね塗りを何度もすると塗膜が厚くなりますが、もともとデカールの段差があるのであまり気にしなくても大丈夫です。
補修前が写真7、補修後が写真8になります。

機体後部の白線も重ね塗りで表現しています。白線はマスキングをしてエアブラシで塗装すればもっときれいに塗装が可能ですが、ちょっと面倒だったので筆塗りで済ませてしまいました。きれいに仕上げたい場合は、マスキングをしてエアブラシで仕上げて下さい。
🐥デカールの上にマスキングテープを貼るとデカールが剥がれてしまう可能性が高いです。補修でマスキングテープを使用する際は、デカールに被らない場所にだけ貼るようにして下さい。

機体右側の日の丸は写真9のように赤い部分も欠けてしまったので、フラットレッドを使用して補修をします。赤は比較的色が着きやすく、さらに下地が白色なので、重ね塗りをしなくても大丈夫です。

補修した状態が写真10になります。きれいな円になるように慎重に筆塗りをしていきます。補修はフリーハンドになるので、できるだけ使い慣れた筆を選ぶようにして下さい。

赤の補修はタミヤエナメル塗料XF7フラットレッドを使用しています。デカールとの色合いが大きく異なった場合、溶剤で簡単に拭き取れるので重ね塗りをしない部分もエナメル塗料をしています。
エナメル塗料は上からアクリル塗料でコーティングすれば、軽いエナメル系のスミ入れ程度なら耐える事が可能です。ただし、エッジなど塗料が乗り難い箇所は、スミ入れで剥がれる可能性があるので、エナメル系でガシガシとスミ入れをしたい方はアクリル系の塗料を使用して下さい。
塗料が乾燥すると写真11のように補修した部分が目立ってしまいますが、これはコーティングでツヤを整えれば目立たなくする事ができます。
デカール修復は上手く補修をする事も大事ですが、それ以上に補修した箇所を上手くごまかす事が重要になります。色々な事を試して目立たなくする方法を探してみて下さい。

今回はデカール修復液を使用した状態での修復を説明していますが、修復液を使用してない状態でも同様のやり方で修復できるので、デカール貼りで失敗してしまった時の参考にしてみて下さい。
今回はここで終了です。次回は補修した箇所のごまかし方について説明をします。