【初心者向け】古いキットの作り方(タミヤ M8自走榴弾砲)~②キャタピラの焼き止め編~

前回は簡単な準備を説明しました。今回はキャタピラの製作になります。

🐔前回の記事を下記に載せておきます。参考にして下さい。

【初心者向け】古いキットの作り方(タミヤ M8自走榴弾砲)~①準備編~

=🐣キャタピラについて=

今発売されているキットのゴム製キャタピラは、ほとんどが接着と塗装が可能になっています。しかし接着可能なキャタピラが登場する前は、通常のプラスチック用接着剤では接着が出来ないゴム製のキャタピラが主流でした。

そのため焼き止めという手法でキャタピラを接着していきます。今でも海外メーカーのキットだと、焼き止めが必要な物もあります。タミヤの製品でも古い製品を元にしたバリエーション展開の商品だと、キャタピラが焼き止めになっている物もあるので注意して下さい。今回製作するM8自走榴弾砲のキットは、焼き止めが必要なキャタピラなのでこれから焼き止めの説明をします。

当時はゴム製キャタピラは塗装ができないと言われていましたが、最近は塗料自体の質が良くなってきているので、特に問題なく塗装ができます。強く擦ると塗装が取れてしまいますが、無茶な扱いをしなければ特に問題なく塗装ができます。

=🐣キャタピラの焼き止め=

ゴム製のキャタピラは箱に入っている段階で、だいたい半分に折り曲げられています。特に性質上の問題はないですが、折り曲げている箇所にクセがついている事が多いです。そのクセを早めに直しておきたいので、組み立ての一番最初にキャタピラの焼き止めをします。

キャタピラの接着は写真1のように先端にある突起を、反対側の穴に差し込み飛び出した突起に熱したマイナスドライバーなどを押し当て、ゴムを溶かして接着します。

写真1

まずは写真2のようにキャタピラが輪になるように、突起を反対側の穴に差し込みます。赤丸で囲んだ部分が接着部分になります。

写真2

この時ゴムにクセがついていると接合部が外れやすくなるので、接合部の左右をマスキングテープで台や机に固定しておくと作業がしやすくなります。両面テープで固定してもいいのですが、粘着力が高いとテープから外す時に、焼き止めした箇所でちぎれてしまう事があるので、使用する場合は何度か手のひらに貼って粘着力を落としてから使用して下さい。

突起の部分がはまっている状態で固定できたら、マイナスドライバーを用意します。丁度良い大きさのドライバーがない場合は、金属製のヘラ状の物で問題ないです。

🐥金属製のヘラが短いと熱伝導で火傷する場合があるので、ある程度長さがある物を使用して下さい。不安な方は軍手を着けての作業をお勧めします。

ドライバーまたはヘラの先端を、ライターやロウソクで炙って熱します。だいたい7~10秒程で先端が熱せられます。熱した先端部を冷えないうちに、キャタピラ接合部の突起に押し当てます。するとゴムが溶けて、写真2の丸で囲んだ部分のようになります。

写真2

強く押し当て過ぎると、キャタピラ本体も溶けてしまうので突起部分だけを溶かすように注意して下さい。ドライバーを熱する時間が短かく途中で止まってしまった場合は、もう一度熱して続きから始めても大丈夫です。

この時に必ず真上からドライバーを押し当てるようにします。ドライバーを横や縦に動かしてしまうと、溶けたゴムがズレてしまい接着が弱くなる場合があるので注意して下さい。

コツは押し当てたドライバーを、熱が冷めるまで動かさないようにする事です。押し当ててから15秒程すれば充分に冷めているので、簡単にキャタピラからドライバーを外す事ができます。熱が冷める前に外すと、ドライバーに溶けたゴムがくっついて伸びてしまうので焼き止めが不完全になってしまいます。

焼き止めが上手くいくと、写真4のようにキャタピラが繋がります。車体に取り付ける際は、焼き止めした部分を目立たないような位置にするのも重要です。

写真4

火を使うので必ず周囲に注意して作業をして下さい。接着剤や塗料など引火性なので、蓋を開けた状態にしないで、しっかりと蓋を閉めてから焼き止め作業をして下さい。

🐥ドライバーの先端に溶けたゴムが付着する事がありますが、ドライバーが冷えた後だと、簡単にナイフで削り取る事ができます。火傷の可能性もあるので熱いうちに取らないで、必ず冷えるのを待ってから取るようにして下さい。

今回の記事はここで終了です。次回は脚回りの組み立てになります。

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