前回は必要な道具などを簡単に説明しました。今回はどのように土台を製作していくか、計画を立ていきます。
🐔前回の記事を載せておきます。参考にして下さい。
【城好き向け】難攻不落！史上最強の山城を作る！（岐阜城 童友社 １／３５０）～①準備編～ ＝🐣建築計画＝
城郭は面積が大きいので、スケール通り正確に模型で再現すると、とても巨大な物になってしまいます。そのため、ある程度デフォルメされています。もちろん戦国時代当時の写真などは存在しないので、想像や資料、復元図を元に製作している箇所もあります。
400年前の状態が正確に解る書籍もないので、あまり考証にこだわらずに、ひたすら攻めにくい城を製作していくことにします。難攻不落と言っても、人海戦術で攻められたら守りようがないので、1000人規模の敵を150人ぐらいで迎撃する設定で製作していきます。
低い場所よりも高い場所の方が有利なので、常に守り手が高地から攻撃できるような地形にする予定です。当時はまだ先込めの銃のため下に向けて撃てるのか不安なので、守り手の主な飛び道具は弓矢と設定しています。
🐥記事中の建物の名称は、説明書と同じ名称で記載していきます。青で囲んだ部分は盛り付け、赤で囲んだ部分は削る部分、緑線は予想される敵の侵攻方向、黒線は防御側の攻撃方向になります。
1.二の丸門手前付近
写真1は二の丸門手前付近の写真です。
二の丸門に続く道がないので、写真2の青で囲んだ部分に道を作ります。スペースの関係で道は途中からになりますが、手前の石垣の下を蛇行して上ってくる設定です。そのため、道を上っている間石垣からの攻撃があります。
2.二の丸門前
二の丸門前は写真3のようになっています。
二の丸門に続く石垣の前、写真4の赤く囲んだ箇所に大きな堀切を製作します。急勾配の道を登ってきたら、突然大きな堀切があり立ち止まると、堀切向こうの石垣や二の丸櫓からの攻撃がきます。攻め手は道を下るか、写真4の緑の矢印のように二の丸櫓に沿って移動します。
🐤堀切とは尾根伝いの侵入を防ぐために、尾根部分をざっくり切って作った堀の事です。
3.虎口付近
写真5は虎口付近です。左側の石垣に開いている小さい穴が門の位置になります。中央の大きな石垣の上に二の丸櫓が建ちます。
🐤城の出入り口の門で、防御しやすいように工夫されている部分を虎口と言います。
写真6の赤く囲んである部分を平らにして、攻撃しやすい足場にします。写真6の黒矢印のように二の丸門の上から攻撃できます。さらに二の丸櫓が突破された際、本丸に続く道を上から攻撃する事が可能になります。
4.本丸に続く道
写真7は本丸に続く道になります。
写真8赤い線のように道の中間で堀切を製作します。右側の赤く囲んだ部分は写真6で説明した平らにする予定の部分です。
5.本丸の切岸
写真9は本丸下の崖になります。この部分は切岸として製作していきます。
🐤切岸とは、侵入を防ぐために人工的に作られた急斜面です。
まずは写真10の赤く囲んだ部分に竪堀を作ります。竪堀を作ることにより、攻め手は左右に蛇行しながら坂を登る事が不可能になり、緑矢印のような直線的な動きになります。さらに竪堀上の青で囲んだ部分に土塁を製作します。ここに土塁を築く事によって、切岸を登ってくる敵を上から攻撃する事ができます。
右上の石垣部分の青で囲んだ部分は、ちょっと不自然なので軽く盛り土をして見張り場所にしようと思います。
🐤竪堀とは、斜面に沿って作られた堀です。斜面での横の移動が制限されるため攻め手が圧倒的不利になります。
6中庭
写真11の中心部は中庭にする予定です。中心部の大きな窪みは粘土で埋め立てる予定です。
ここには門に続く道を通らずに、天守閣を狙いに来た攻め手をおびき寄せ攻撃をかける場所です。写真12中央下から中心に向かう矢印が天守閣を直接狙いに来た敵の動きです。
この場所は切岸に囲まれているため、攻め手は立ち往生状態になり写真10で説明した土塁と、二の丸櫓から本丸に続く道の上から狙い放題になります。攻め手は竪堀を登って攻撃するか、退却するかの二択になります。竪堀を登ってきた場合は写真10で説明したように迎撃ができます。
写真12左側の矢印は、写真4で説明した二の丸門付近の堀切を迂回して二の丸櫓沿いに進んだルートです。その先の青で囲んだ部分に小さい土塁を作り、そこに迂回してきた攻め手を引きつけ上の階段部分から狙い撃ちするようにします。
長くなりましたがこれで建設計画は終了です。次回から実際に製作していきます。
🐥製作途中でも変更できるので、最初の建設計画は自分のやりたいように設計してみて下さい。自分オリジナルの難攻不落の山城を設計してみましょう。
🐦山城の建設計画時に役に立つ便利な資料を下記に載せておきます。参考にして下さい。