前回は石垣と地面の塗装の説明をしました。今回は芝の製作になります。
🐔前回の記事を下記に載せておきます。参考にして下さい。
【初心者向け】水のある情景の城模型製作方法(童友社 1/350 松本城)~③石垣と地面の塗装編~
=🐣芝の製作=
堀の製作の前に芝生を製作します。芝はシーナリーパウダーで表現するのですが、そのシーナリーパウダーが製作中に透明レジン部分に落ちないようにするために先に製作しておきます。
1.接着について
水で薄めた木工用ボンドを使用します。大量には使用しないので、塗料皿程度の大きさの入れ物があれば大丈夫です。筆で塗れ程度に水で薄めます。薄め過ぎると定着力がなくなるので注意して下さい。
このままの状態だと、水面張力のせいでボンドがしっかり浸透しないので台所用の中性洗剤を界面活性剤として1~2滴混ぜます。そうする事で、ボンドが浸透しやすくなるで中性洗剤は忘れずに入れて下さい。
🐦界面活性剤入りのボンドも市販されています。下記に載せておくので参考にして下さい。水で薄めるだけで使用できます。ジオラマ製作時には便利です。
スーパーフィックス 固着剤 100ml ボトル容器入り SP-100
2.芝の接着
芝は鉄道模型用のシーナリーパウダーを使用します。濃い緑や、淡い緑などの色の違いがあるので、自分のイメージに合った色のものを使用して下さい。
🐦シーナリーパウダーを下記に載せておくので参考にしてください。
TOMIX カラーパウダー グリーン 8107 ジオラマ用品
まずは写真1のように芝を生やす箇所に、水で薄めた木工用ボンドを塗ります。
シーナリーパウダーを指で摘まみ、塩を振るようなかんじでパラパラと写真2のようにボンドを塗った上に撒いていきます。最後に台座を逆さにして接着できなかったシーナリーパウダーを落としていきます。
🐥シーナリーパウダーが飛び散るので、新聞紙や箱の中で作業した方がいいです。
逆さにして余分なシーナリーパウダーを落とすと、下地が見える箇所か出てくる場合があるので、その部分に写真3のようにもう一度ボンドを塗ります。
この時に筆を動かしてボンドを塗ると、接着させたシーナリーパウダーがごっそり取れてしまうので、ボンドを垂らす感じで塗って下さい。ボンドを付けた筆をちょんちょんとシーナリーパウダーが薄い箇所に軽く叩くような感じで塗るとうまくいきます。
ボンドを塗ったら、先程と同じようにシーナリーパウダーをパラパラまぶしていきます。終了したら同じように逆さにしてシーナリーパウダーを落とします。まだ薄い箇所があるなら、同じ作業を繰り返して下さい。写真4~6は作業終了した状態になります。
3.茂みの製作
石垣付近の土手などは、芝生だとちょっと違和感があるので茂みにします。
茂みには鉄道模型用のコースターフを使用します。これは着色されたスポンジを細かくちぎったような物です。これもいろいろな色や大きさがあるので自分の好みに合った物を使用して下さい。
🐦下記にコースターフを載せておきます。似たような物も載せておくので参考にして下さい。
KATO コース・ターフ 緑色 T64 24-325 ジオラマ用品
KATO ジオラマ用品 ミディアムプランツ ライトグリーン 24-539 鉄道模型用品
茂みにしたい箇所にボンドを垂らして、写真7のようにコースターフを貼り付けます。コースターフはフワフワしていて、接着面が少ないので軽く上から押し付けて下さい。
薄い箇所があったら、その部分にボンドを垂らして上からコースターフを貼り付けます。
4.芝の定着
芝や茂みの部分は完成しましたが、しっかり定着させたい場合は上からボンドを垂らして定着させます。写真8、9のようにうえからボンドを垂らしていきます。スポイトなどを使用すると楽に作業ができます。
このままボンドが乾くまで、一晩以上放置して下さい。
ボンドが乾くと写真10のように固まります。
ボンドを染み込ませたので、しっかり定着はしましたがボンド自体が光沢しているためややベットリした感じになります。上から塗装する場合は問題ないですが、塗装しない場合はもう少しふわっとした感じが欲しくなります。
そのため塗装しない場合は、最後に写真11のようにもう一度シーナリーパウダーを軽く振りかけます。
すでに下に芝があるので、パラパと軽く振りかけるだけで充分な仕上がりになります。最後に逆さにして接着できなかったシーナリーパウダーを落とせば完成です。この作業をするとかなりしっかり定着出来るので、組み立て中などにシーナリーパウダーが剥がれてしまう事が少なくなります。
茂みの部分に赤や黄色のシーナリーパウダーを極少量まぶすと花のように見えます。鉄道模型用の情景材料はいろいろなものが発売されているので、自分好みの庭園になるように仕上げてみて下さい。
ただし、スケールが異なるので樹木や花壇などの完成品を使用する際は、スケールに合うように多少の加工をする必要がある場合があるので注意して下さい。
🐥Nゲージサイズは約150分の1で、今回の松本城は350分の1になります。Nゲージサイズで大きめの樹木を購入した場合、350分の1だと御神木クラスの巨木になってしまいます。スケールが違っていても違和感のないような情景材料を探してみて下さい。
樹木は天守閣などの建物を組み立ててからの方が、位置決めをしやすいので最後になります。
今回はここで終了です。次回は堀の製作になります。