前回は簡単な筆塗りについての説明をしました。今回は簡単な筆塗りの上達方法を説明します。
🐔前回の記事を下記に載せておきます。参考にして下さい。
=🐣塗料と筆の選択=
これだけで、筆塗りの技術が20%程度底上げが’出来ると思うので是非試してみて下さい。
1.塗料の選択
この記事を読んでいる人の多くは、使用する塗料の種類が決まっていると思いますが、その塗料が自分に合っているかちょっと考えてみて下さい。
ある程度の偏りはありますが、一般的に筆塗りが上手いと言われている人達は、全て同じメーカーの塗料を使用している訳ではありません。
人それぞれ筆運びや力の入れ加減が異なり、好みの薄め具合も違います。普段アクリル塗料を使用している筆塗りの上手い人がラッカー系塗料で塗装した場合、普段と同じ完成度で仕上げるのは難しいはずです。すなわち自分にあった塗料を見つける事が、筆塗りにとって最も重要です。
まずは、試しに数種類の塗料を購入してみて下さい。筆塗りでは薄め具合も重要なので、可能ならば専用の薄め液も購入する事をお勧めします。買い揃えるだけで、莫大な金額になるではと思うかもしれませんが、塗料の相性チェックなので購入する色は一色だけで大丈夫です。ムラの目立たないグレー系塗料がお勧めです。
🐥購入する塗料は、色の種類が多くて比較的簡単に入手できるタイプがお勧めです。
塗料がある程度揃ったら、キットの不要パーツやランナーなどを使用して塗り比べて、その中で一番使いやすい物を選んでみて下さい。ここで大事なのは、発色よりも使用感重視で選ぶようにする事です。塗料のツヤをコントロールすれば、ある程度は発色を調節できるようになるので、とりあえず塗りやすさを重視して選びます。
2.筆の選択
高価な筆の方が塗りやすいと考える人も多いでしょう。確かに質が良いものはとても塗りやすいです。しかし、ここで大事なのは筆の質ではなく形状になります。
模型店の筆コーナーに行くと、平筆や面相筆などいろいろな形状の筆を見ることができます。一般的に細かい箇所は細目の面相筆、広い面は平筆というイメージがありますが、その固定概念を捨てて自分がきれいに塗れる筆を探します。
数多くいるプロ野球選手の中で投球フォームや打撃フォームが、他の選手と全く同じという人がいないのと同様で、塗装する時の姿勢や力加減も人それぞれです。投げる、打つ、塗るといった機械を使用しない手作業は、必ず自分に合ったフォームが存在します。
なので、次に自分の塗装フォームに合った筆を探します。まずは数種類形状の異なる筆を選んで、普段塗装をしている姿勢でいろいろな筆を使い比べて塗りやすい形状の筆を選びます。できれば、平面、局面、細部、凹凸部分など、状況に合わせて筆選びをしてみて下さい。
この時に大事なのは、きれいに塗れるけど使用感が悪い筆よりも、ムラが出るけど使いやすい筆を選ぶ事です。きれいに塗れる方が良いのではと思うでしょうが、使いやすい筆の方が技術的なのびしろが高く、筆の質を上げた時の効果も高いので後の事を考えると使いやすい筆の方がお勧めです。もちろん、一番良いのはきれいに塗れて使いやすいものですが、見つからない場合は使いやすさ重視で選んで下さい。
🐦️筆の質は必要だと思った時に上げればいいので、まずは自分に合った筆の形状を探す事が大事です。下記にいろいろな形状の筆セットを載せておきます。筆選びの参考にして下さい。
Tigre Amore 筆 ブラシ 絵画 画材 絵の具 油絵筆 水彩筆 プラモデル 塗装 10本 セット
自分に合った筆と塗料を選ぶ事が出来たら、それだけで技術力の底上げができるので筆塗りで迷っている人は参考にしてみて下さい。
🐥時が経つと、好みの姿勢や力の加減も変わってくるので、4~5年おきに塗料や筆の選択をやり直す事も大事です。入団から引退まで、投球、打撃フォームが全く変化しない野球選手は少ないのと同じで、塗装フォームも何らかの原因で変化していきます。スランプに陥ったら時は、もう一度筆や塗料の選択をやり直してみて下さい。
今使っている塗料と筆は使いやすいので、選択をする必要がないと思う人もいるでしょうが、世の中にはさまざまな塗料があります。もしかしたら、自分の能力をさらに覚醒させるような力を持った塗料が存在する可能性もあるので、気になった塗料があったら試してみて下さい。自分の秘めた力を解放する!なんて思いながら塗料や筆を探すのも楽しいのではないでしょうか。
大半の人は、こんな感じで塗りたいと思っている目標があると思います。ついついやってしまうのが、その作品で使用している塗料や筆を使わないといけないと考えてしまう事です。使い勝手が悪い塗料を使って真似をするよりも、使いやすい塗料を使用して似せるように塗装した方が製作しやすいし、その際に新たな技法を開発するかもしれないです。
慣れないうちは、プロモデラーお勧めの塗料と聞くだけでついつい良いものと思ってしまいがちですが、筆塗りの感覚は人によって違います。評判などは気にせず、自分に合った塗料や筆を見つける事が大事なので是非いろいろな塗料を試しながら探してみて下さい。
今回はここで終了です。次回は筆塗りが上手く見えるキット選びについて説明します。
🐔今回の記事一覧を下記に載せておきます。目次代わりに使用して下さい。