前回は塗料と筆の選択について説明しました。今回はキットの選択になります。
🐔前回の記事を下記に載せておきます。参考にして下さい。
=🐣筆塗りしやすいキットについて=
筆塗りの大きな難点は筆ムラが出る事と、重ね塗りが難しい事です。重ね塗りについては、次回以降で説明する予定なので、今回は筆ムラが目立たない事を重点にしてキットを選択します。
筆ムラは平面部分が広いと大きく目立ってしまいます。逆に面が多いキットだと筆ムラはあまり気にならないです。1/700の艦船模型で説明すると、面が多く艦橋の構造が複雑な戦艦はムラがあまり気にならず、単一平面の面積が広い飛行甲板がある空母は筆ムラが目立ってしまいます。
筆塗りが簡単と思ってしまうと、キットに自分の技術を合わせようとしてしまいますが、筆塗りは難しいという事を理解すると自分の技術にキットを合わせていく事ができます。
=🐣キットの選択=
筆塗りに適しているキットを探すのは大変だと思うので、これからキット選択のコツをいくつか説明するので、キット選びの参考にして下さい。
1.ムラの出にくいスケールを選ぶ
平面の面積が広いと筆ムラが目立ってしまうということは、逆に平面の面積を減らせばムラが目立たなくなります。すなわち小スケールの物を製作すれば、筆ムラが気にならなくなります。
極端ですが、1/32の零戦と1/700の航空母艦に付属している零戦を筆塗りした場合、どちらの方が筆ムラなくきれいに塗れるでしょうか?このように、同じ機体でもスケールによっては筆塗りでもきれいに仕上げられるようになります。
自分の技術によって適したスケールは異なりますが、初心者にお勧めのスケールをちょっとだけ説明します。
戦車は1/72あたりがお勧めです。細かいパーツも少なく、重戦車でも完成したら10㎝程度の大きさなので筆塗りには適してします。
航空機はF14やF18のような大型の現用機はだと1/144がお勧めです。1/144だとかなり小さい感じがしますが、大型の現用機だと10㎝程度の大きさになります。零戦のような大戦機だと1/72がお勧めです。完成後の大きさは1/144の現用機と同じ程度の大きさになります。
艦船模型は1/700がお勧めです。ただし、空母や最近のステルス性を考慮した艦船は、平面部分の面積が広いので注意して下さい。
🐥慣れてくれば、大きめのスケールにも挑戦できるので、とりあえずは小スケールで試してみて下さい。
🐦️下記にお勧めスケールのキットを載せておきます。キット選びの参考にして下さい。
青島文化教材社 1/72 ミリタリーモデルシリーズ No.12 陸上自衛隊 73式大型トラック 3t半 乗車隊員20体セット
プラッツ 1/144 アメリカ海軍 艦上戦闘機 F/A-18E スーパーホーネット VFA-87 ゴールデンウォリアーズ
プラッツ 1/144 航空自衛隊 F-2A 第3飛行隊 2019年 三沢ラストイヤー特別塗装機 2機セット
タミヤ 1/72 ウォーバードコレクション No.80 日本海軍 三菱 零式艦上戦闘機 21型
タミヤ 1/72 ウォーバードコレクション No.90 メッサーシュミット Bf109 G-6
2.ムラの出にくい基本色を選ぶ
ムラの出にくい色は人それぞれ異なると思うので自分の感覚で考えて下さい。私はグリーン系の筆塗りは苦手ですが、グレー系は比較的きれいに塗れます。
そのため、零戦を製作したくなった場合は、52型のような緑色の方が有名ですが、きれいに仕上げたいので機種にこだわりがなければ、全面薄いグレー塗装の零戦21型を選択します。
このように、筆塗りの得意、不得意な色の系統を知る事で、きれいに塗れる色が解るのでキットの選択がしやすくなります。
3.形成色を活かす
メーカーによっては、基本色に近い形成色を使用しているキットがあります。タミヤの戦車模型などは、グリーン系の戦車は形成色が緑だったり、ダークイエロー系の場合はダークイエローっぽい形成色になっています。
この形成色を活かせば、ムラが目立ち難くなる場合があります。航空機模型は基本グレー一色になっている事が多いですが、それに合わせてグレー系の塗装をするタイプのキットを選べぶ事できれいに塗装ができます。
逆に形成色が濃い色の場合は、上から異なる系統の色が塗り難くなるので注意して下さい。形成色を活かすと少し大きめのキットでもムラが目立たなくなるので、キット選択時の参考にして下さい。
🐦️下記に載せた艦船キットは、パーツごとに色分けされているのでストレスなく塗装する事が可能です。参考にして下さい。
フジミ模型 1/700 艦NEXTシリーズ No.6 日本海軍戦艦 比叡 色分け済み プラモデル
フジミ模型 1/700 艦NEXTシリーズNo.10 日本海軍夕雲型駆逐艦 夕雲/風雲 (2隻セット) 色分け済み プラモデル
以上3点がキット選びのコツになります。マイナーな車両や機体は単一スケールでしか発売されていないものもありますが、人気のある機種は多くのメーカーからさまざまなスケールで発売されているので、選びやすいと思います。
きれいに塗りやすいキットを選ぶだけで、完成度は20%程上がると思います。前回の塗料と筆の選択を合わせると、上手くいったら技術の向上なしで完成度を40%上げる事も可能です。
今回はここで終了です。次回は塗装を上手く見せる塗り方のコツを説明します。
🐔今回の記事一覧を下記に載せておきます。目次代わりに使用して下さい。