前回はジオラマについて解説をしました。今回はベースの製作になります。
🐔前回の記事を下記に載せておきます。参考にして下さい。
=🐣ベースのサイズを決める=
最初のうちは先にベースのサイズを決めてから情景を決めていく方が製作しやすいと思います。イメージした情景や使用する車両によってサイズを決めるのが通常ですが、慣れていない場合はいろいろ詰め込み過ぎて情景サイズが大きくなりがちです。大きくなるとその分作業が大変になるので注意して下さい。
慣れないうちは小さめのサイズで製作のコツを掴む事をお勧めします。大きくても大判コミック程度のサイズまでにした方がいいと思います。
今回は写真1の木製の台座を使用する事にします。プラスチックの飾り台でも問題ないのですが、木製の方がニスを塗るだけで台座に高級感が出るのでお勧めです。100円ショップなどでも販売しているので、機会があったらいろいろ探してみて下さい。
大きさを決めるコツは使用する車両の面積が、ベースのサイズの半分以下になるように選ぶ事です。車両の大きさがベースサイズの6割以上になると、ジオラマというよりは地面のある台座になりがちです。使用する車両にぴったりの大きさは避けた方がいいです。
🐥木製の台座は劣化しにくいので、気になった物があったらその都度購入する事をお勧めします。とりあえず数種類ストックとして置いておくと、いざジオラマを製作しようと思った時に探しに行く必要もないです。いざ製作しようと思ってベースを探しに行っても、なかなか見つからないものなので、日頃から使えそうなものがないかチェックしてみて下さい。
=🐣フィギュアや車両の配置決め=
今回使用する写真2のフィギュアだけではベースが広すぎるので、タミヤから発売されている写真3のケッテンクラートを使用する事にしました。
使用するキットが決まったら、とりあえずベースに乗せて簡単な配置決めをします。大きさなどを把握したいので、できることなら車両の組み立てまでは終わらせておいた方がいいです。
🐥塗装はベースが完成してから行うのですが、ケッテンクラートはエンジンも再現されているため、運転席内部だけは先に塗装を行っています。
写真4のように車両とフィギュアを配置して状態を確認します。いろいろな位置で確かめながら、配置場所の仮決めを行います。今回は廃棄されたケッテンクラートを盾にして戦闘を行っているシーンを再現します。
フィギュア1体だとちょっと状況が伝わり難いので、ドイツ歩兵アタックチームセットから片ひざを着いて銃を構えるフィギュアを追加する事にしました。
大体の配置が決まった状態が写真5、6になります。
🐦️今回使用しているキットを下記に載せておきます。参考にして下さい。
タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.377 ドイツ軍 Sd.Kfz.2 ケッテンクラート中期型
タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.196 ドイツ陸軍 歩兵 アタックチームセット
=🐣ベースの製作=
木製の台座にスチレンボードを写真7のように接着します。接着は木工用ボンドで問題ないですが、時間が経過するとスチレンボードが浮いてしまう危険性があるので、ボンドが乾くまで上に重い本などを乗せて浮きを防ぎます。
ベース上に発砲スチロールやスチレンボードなどの柔らかい物を置かないと、取り付け用の真鍮線が刺さらないため、フィギュアなどをしっかりと固定する事が難しくなります。スチレンボードは厚めの方が車両やフィギュア、ジオラマの小物などが接着しやすいです。
🐦️スチレンボードはカッターやハサミで簡単に切断できるので、ジオラマ制作にはお勧めの材料です。下記に載せておくので参考にして下さい。
タミヤ 楽しい工作シリーズ No.139 スチレンボード5mm厚 2枚入
スチレンボードが固定されたら、写真8、9のようにフィギュアと車両を配置します。車両は小柄で安定感があるので、真鍮線を使用せずにベースに直接木工用ボンドで接着する事にします。フィギュアは安定感がないので、足裏に刺した真鍮線をスチレンボードに差し込んで配置させます。
フィギュアの背後が空いていたので、石垣を製作する事にしました。石垣を製作する場所を写真10、11のようにペンで印を付けます。この後フィギュアや車両を外して作業をするので、配置が決定したら4方向からスマホなどで写真を撮って保存しておく事をお勧めします。
写真12のようにケッテンクラートの前輪が大きく浮いてしまいました。普通に飾る場合はキャタピラやタイヤの部分を加工して調節するのですが、ジオラマだと地面を盛り上げる事で簡単に調節できます。
スチレンボードを切断してものを写真13のように車輪の下に差し込み、地面を少し山なりにした状態にします。こうする事で車輪の浮きをごまかす事ができます。このかさ上げを地面の素材だけでやろうとすると、思っている以上に盛り付けなければいけないので、スチレンボードなどで芯を作っておくようにして下さい。
発泡スチロールなどを盛り付けて写真14のように石垣の芯を製作します。大きな隙間があると地面を製作する時に、地面の素が大量に必要になるので、大きな隙間は先にエポキシパテで埋めておきます。
🐦️模型用の発泡スチロールもあります。板状なので加工がしやすいのでお勧めです。下記に載せておくので参考にして下さい。
タミヤ 楽しい工作シリーズ No.165 高密度発泡スチロール10mm
🐥発泡スチロールにラッカーパテを使用すると、発泡スチロールが溶けてしまうので、隙間埋めは必ずエポキシパテを使用して下さい。
ベース側面のスチロール面を滑らかに加工します。石膏などで塗りかためても良いのですが、石膏が手元にある人はあまりいないと思うので、今回は模型店で入手可能なものを使用していきます。
まずは写真15のように、木工用ボンドをベース側面全体に塗っていきます。隙間のないように、ホールケーキに生クリームをコーティングするような感じで木工用ボンドを塗って下さい。塗り終わったら木工用ボンドをしっかり乾燥させます。
ボンドが乾燥したら、ボンドの隙間が無いか確認をしてから、ラッカーパテを塗っていきます。発泡スチロールにラッカーパテを塗ると溶けてしまいますが、木工用ボンドでコーティングしているのでスチロールが溶ける事はないです。
ラッカーパテが乾燥したら600番→800番でヤスリがけをしてパテの表面を滑らかにします。ボンドが削れて地肌の発泡スチロールが見えてしまった箇所は、もう一度木工用ボンドを塗ってコーティングをします。
ヤスリがけが終了した状態が写真16~18になります。黄色い部分は隙間埋めのエポキシパテになります。
ベースは製作中に何度も手に持っていろいろな作業を行います。片手で持つ事が多いので、なるべく軽くなるようにする事をお勧めします。
今回はここで終了です。次回は石垣の製作になります。