【初心者向け】1/350艦船模型を気軽に製作してみる(ピットロード 1/350 日本海軍海防艦 丙型)~①準備編~

大型プラモデルといえば、模型店の棚の上段にズッシリと陳列されている姿を思い出す人も多いでしょう。ロボダッチの「宝島」や1/72のメカニックガンダムなど、人によって印象に残っているキットは異なるでしょうが、1/350スケールの艦船模型キットが印象に残っているという人は多いと思います。

とくにタミヤから現在も発売されている1/350エンタープライズは、1/350大和や武蔵が5000円の時代に1万円オーバーという値段と、小学生の身長並みに巨大な箱のキットは模型店の主のような存在でした。その姿を見ていつかはあのサイズの艦船模型を作ってみたいと感じた人も多いと思います。

幼かった頃は値段が大きな難関だったのですが、大人になって資金的な問題がクリアされると、今度は製作や飾る場所の確保という現実的な問題のため、やむなく1/350の艦船模型の製作を諦めてしまった人も多いと思います。

今回はスペース的な原因で製作を諦めてしまった方のために、製作や展示スペースをあまり必要としない1/350スケールの艦船模型製作を説明していきたいと思います。もちろん、製作する艦船はエンタープライズや大和などの大型艦ではないですが、スケールは同じなので雰囲気だけでも味わえると思います。興味のある方は読んでみて下さい。

=🐣スケール換算について=

大スケールの艦船模型を製作するので、ちょっとスケールについて説明をします。いつも製作しているスケールと異なる物を製作した際に、思った以上に大きかったり小さかったりで戸惑った経験がある人も多いと思います。

それは私たちが日常的に面積や体積で大きさを換算しているからです。

例えば平面的な場合、畳一畳の倍の広さといえば通常二畳分の広さを思い浮かべますが、スケール換算をすると縦横の長さが2倍になるので、スケールが倍になるという事は四畳分の広さになります。

立体的な例だと、250mlの缶ジュースが倍量となれば500ml缶を思い浮かべますが、これをスケール換算すると縦横以外に高さも加わるので、スケールが倍になるという事は250mlが8本分すなわち2Lサイズのペットボトルサイズになります。

このようにスケールが倍や半分になると、キットの大きさは8倍もしくは1/8になります。たた単純に体積が2倍や1/2になるという訳ではないので、いつもと違うスケールの模型を購入する際は注意して下さい。

=🐣使用するキットとパーツ=

1/350スケールになると駆逐艦でも1/700の大和程度の大きさになるので、それなりの製作や展示のスペースが必要になります。ちょっと気軽に製作するという程の大きさではないので、今回は駆逐艦よりも小型である海防艦を製作していきます。

今回は写真1のピットロードから発売されている1/350海防艦丙型を使用します。艦底も再現されているフルハルタイプなので、飾り台も付属しています。大きさは1/700の軽巡洋艦程なので、製作や展示のスペースを大きく確保する必要はないです。

写真1

2025年11月現在、エッチングパーツと真鍮製の砲身が付属している限定版も発売されています。値段は通常版とあまり変わらないので、興味のある方は限定版のキットも考慮してみて下さい。

今回はエッチングパーツが付属されている限定版を使用します。エッチングパーツは艦橋部分や支柱になります。艦橋パーツは窓枠が開口されているので、フィギュアなどを艦橋内に配置する事が可能になります。ただし、キットパーツを切断してエッチングパーツと合わせる作業が必要になるので、そういった作業が苦手な方は通常キットの方をお勧めします。

🐦️今回使用するキットを下記に載せておきます。エッチングパーツのない通常版も載せておくので参考にして下さい。

小型の艦底とはいえ1/700スケールの倍になるので甲板の広さは4倍に拡がります。1/700では甲板がゴチャゴチャしていますが、小型の船舶といえども1/350になれば甲板がスッキリしてしまうのでフィギュアを配置する事にします。

また、1/350スケールだと手すりが無いとちょっと寂しい感じがするので、手すりも加える事にします。

今回はタミヤから発売されている写真2のハンドレールセットと船員セットを使用します。

手すりは扱いやすい真鍮製のエッチングパーツが色々なメーカーから発売されていますが、実際に支柱を接着して銅線を通すというハンドレールセットに興味があったので、今回はハンドレールセットを使用してみます。

フィギュアは3Dプリント製のものなどが発売されていますが、フィギュアの人数を多めにしたかったので、144体入りの船員Dセットを使用します。ちょっと平面っぽいのが気になりますが、塗装や値段の事を考えると使い勝手が良さそうなので今回はタミヤの船員セットを使用します。

🐦️今回使用するハンドレールセットと船員セットを下記に載せておきます。参考にして下さい。

=🐣使用する道具=

ニッパー、デザインナイフ、プラスチック用接着剤は必須になります。スケールは大きくなりましたが、細かいパーツも多いのでピンセットは必須になります。

また、スケールが大きくなった分、合わせ目も目立つようになるので、気になる人はラッカーパテや紙ヤスリなど合わせ目処理用の工具も必要になります。

エッチングパーツが付属されているので、瞬間接着剤も必須になります。エッチングパーツのない通常版を製作する場合は必要ないですが、ハンドレールセットを使用するなら必要になります。

=🐣塗装について=

塗装はタミヤエナメル塗料の筆塗りで行います。スケールが大きくなった分マスキングが楽になるので、エアブラシでの塗装は1/700よりも楽になるとおもいますが、1/700の艦船模型は全て筆塗りで塗装していたので、今回は1/350でも筆塗りで塗装する事にします。

ハンドレールセットは細かいパーツなので、プライマーを塗らなくても問題なく塗装できますが、付属のエッチングパーツを使用する場合はメタルプライマーの使用をお勧めします。

今回はここで終了になります。次回は船体の製作になります。