前回はエッチングパーツの取り付けについて説明しました。今回は引き続きエッチングパーツの取り付けを説明します。
🐔前回の記事を下記に載せておきます。参考にして下さい。
【初心者向け】戦車模型の専用エッチングパーツ使用法(タミヤ 1/35 10式戦車)~③エッチングパーツの取り付け編その1~
🐦️今回使用しているキットを下記に載せておきます。参考にして下さい。
タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.329 陸上自衛隊 10式戦車
=🐣エッチングパーツの効果と労力について=
写真1は車体に取り付けるパーツなのですが、先端部分にエッチングパーツが用意されています。キットのモールドを削って取り付けるのですが、パーツ自体が細かく中心に取り付けなければいけないので、それなりに大変な作業になります。
写真をみて解るようにキットのモールドも良好なので、エッチングに変更しないで組み立てます。
エッチングを使用しないで組み立てた状態が写真2になります。車体に半分埋もれているし、ここはエッチングの効果が低いので無理に変更する必要はないと思います。
このように労力と効果が釣り合わない箇所もあるので、モールドを削る前にちょっとだけ確認をしてから作業を進めて下さい。
車体上部には写真3のようなハッチを持ち上げる時に使用する取手がモールドで再現されています。
これもエッチングで再現されているのですが、数が多く、さらにエッチングの加工やキットのモールドを削る必要があるので、かなり面倒な作業になります。
まずはモールドを削る前に、写真4のように加工したエッチングパーツを並べて比べてみます。
比べてみるとエッチングの持ち手部分の厚みが薄いのが気になってしまいます。モールドの方が厚みがあって持ち手っぽく見えます。労力と効果を考えると、ここは無理に変更する必要はないと思うのでキットのモールドをそのまま活かす事にします。
エッチングパーツは薄さが利点なので、逆に厚みがある部分の表現は難しくなります。作業にノッてしまい勢いで先に全てのモールドを削ってしまい後悔してしまう事は多々あるので、数が多いパーツなどは、モールドを削る前にどのような感じになるのか冷静に確認してから作業を進めて下さい
=🐣泥よけとフックの取り付け=
写真5の車体側面パーツにはゴム製の泥よけがモールドされています。写真6の別売りエッチングパーツのパッケージを見れば解るように、この泥よけ部分にもエッチングパーツが用意されています。
これを使用するには泥よけ部分を切断して、泥よけ部分のエッチングを取り付けてから、基部に留め具パーツを接着する事になります。
泥よけ部分の継ぎ目が一体化されていてモールドも平らな状態ならエッチングに変更する事も考えるのですが、継ぎ目部分も分かれていてゴムっぽいモールドもしっかりしているので、ここはキットのまま製作していきます。
エッチングの薄さは魅力的ですが、取り付けやゴムっぽくエッチングを加工するにはかなりの技術が必要です。走行中の状態を製作するなら、捲れ上がっているゴムの状態が表現できるので、無理をしても製作する事を勧めますが、停車中の状態ならかなりの上級者でない限り、キットそのままの方が良い仕上がりになります。
泥よけ部分のパーツは大きく数も多いので、使わなければもったいないように感じますが、キットのモールドが良好なので無理をする必要がない箇所です。こういった部分を切り捨てる事は、ストレスなく組み立てるためにも必要なので、もったいないと感じても作業の難易度や完成後の状態に疑問を生じた場合は、割りきって作業をする事も楽しく製作する秘訣になります。
=🐣フックの取り付け=
車体側面には金型の関係で凸状のモールドになっていますが、擬装用のフックが写真7のように表現されています。この部分にもエッチングが用意されています。
数が多くて細かいため遠慮したくなりますが、この部分をエッチングに変える事でフックと車両の隙間が再現されます。隙間があると一目でフックと認識できるので、ディテールアップの効果はかなり高くなります。
細かいパーツなので説明書通り直角に曲げていく事は難しいですが、車体とフックに隙間が空く事がメインなので、写真8のように多少不格好でもしっかりと隙間が空くような形で曲げていきます。接着の強度が多少不安ですが、ここは瞬間接着剤を信じて取り付けていきます。
隙間が接着剤で埋まったり、取り付けが斜めにならないように注意しながら作業をして下さい。
🐥数が多い箇所は一度始めると後戻りはできないので、充分な覚悟をしてから作業に取りかかって下さい。面倒ならエッチングに変更しないという事もありなので、良く考えてから作業するようにして下さい。
側面部分の取り付けが終了した状態が写真9になります。パーツ状態の方が安定感があって作業しやすいので、先にフックを取り付けてから車体に接着をします。
上から見た状態が写真10になります。フックと車体の隙間があるか確認をしながら作業を進めて下さい。
フック取り付けの終盤になってから思いついたので少し後悔しているのですが、プラ板なので写真11のように治具をつくって曲げていくと加工が楽になります。治具の製作にはやや時間がかかりますが、非常に有効なので数が多いパーツの加工時にはお勧めです。
=🐣メッシュの取り付け=
エンジンなどの排気口や吸気口のメッシュ部分は、エッチングの効果が高い箇所になります。
写真12は加工したエッチングパーツをキットのモールドに並べた状態です。キットのモールドもしっかりしているのですが、エッチングの方が立体感があります。
ボルトのモールドを削って、接着面を平らにしてから取り付けます。メッシュの目が細かいのでパーツのメッシュ部分をくり抜く必要もないです。エッチングの加工もメッシュ部分の外側に、枠を取り付けるだけなのでとても簡単です。
目が荒いメッシュパーツだと、目の隙間からプラスチックパーツが見えてしまうので、キットのメッシュ部分をくり抜く必要がありますが、今回のように目が細かいとくり抜いても違いが解らないのでそのままで問題ないです。メッシュパーツの取り付け部分の加工は、仮組みで状態を確認してから作業をしてみて下さい。
取り付けた状態が写真13になります。キットのモールドより立体感が出て、エッチング独特のメッシュ表現になっています。
吸気口や排気口のメッシュはエッチングパーツの見せ場になります。くり抜き作業など多少加工に手間がかかっても、それに見合う効果はあるのでちょっと無理をしても頑張って取り付けてみて下さい。
今回はここで終了です。次回も車体加工の続きになります。