【初心者向け】戦車模型の専用エッチングパーツ使用法(タミヤ 1/35 10式戦車)~③エッチングパーツの取り付け編その1~

前回は組み立て前の作業について説明をしました。今回は車体の組み立てになります。

🐔前回の記事を下記に載せておきます。参考にして下さい。

【初心者向け】戦車模型の専用エッチングパーツ使用法(タミヤ 1/35 10式戦車)~②組み立て前の作業編~

🐦️今回使用しているキットを下記に載せておきます。参考にして下さい。

=🐣エッチングパーツの取り付け=

車体の組み立てはスムーズに進むので、エッチングパーツの取り付けを中心に説明をしていきます。

エッチングパーツは使用すると効果が高い部分もあれば、プラスチックパーツの方が良いのではと思うような箇所もあります。大事なのは取り付けた状態を想像して、エッチングパーツの効果と自分の技量を考えて使用するかどうかを選択する事になります。

写真1のエッチングパーツは、車体後部のランプ部分に貼るパーツです。とくに加工する必要はなく、普通に写真2のように上から貼り付けます。

写真1

取り付けは簡単なのですが、左右にズレないように注意して下さい。瞬間接着剤の扱いに慣れていないと、こういった平面パーツはズレたまま固定されてしまう事が結構あります。作業が簡単なので、ついつい油断してしまいますが、こういったパーツの取り付けの方が意外と神経を使うので注意して下さい。

写真2をみてもわかるようにそれほど高い効果はないです。ズレてしまうと、取り付けない方が良かったと思う事になります。仮組みをして完成後の状態と、作業の難しさを考えながら選択してみて下さい。

写真2

写真3の排気口カバーは、取り付け部分をエッチングパーツに変更しています。このパーツの中心にエッチングのボルトパーツを取り付けるのですが、このボルトパーツが異常なほど小さいので取り付けに苦労します。

エッチングのボルトパーツは細かくて、ピンセットで摘まむのも難しく、上手く摘まめたとしても今度はピンセットから剥がれないなど、苦労している人は多いと思うので簡単な取り付け方法を説明します。

写真3

まずは切り取ったボルトパーツを、写真4のように折れ線をつけた紙の上に乗せます。

写真4

接着する部分に接着剤を針などで点付けして、写真5のようにパーツを折れ線の谷部分に移動させます。

折れ線が接着位置に重なるようにしてから、爪楊枝や針などでパーツを接着位置までずらしていきます。接着部分にパーツを移動させたら、素早く位置の修正などをして整えます。

写真5

接着剤が乾く前に作業を終えないといけないため、ちょっと厳しいですが接着剤を速乾性の木工用ボンドなどに変更すると、若干時間の余裕があります。瞬間接着剤よりは強度が落ちますが、乾燥すればそれなりの強度があるので自信のない人は木工用ボンドを使用してみて下さい。

🐦️下記に速乾性の木工用ボンドを載せておくので、参考にして下さい。

取り付けが終了した状態が写真6になります。キットのモールドよりはシャープな感じになりますが、それほど大きな効果はないです。取り付けがズレてしまうようなら、キットのモールドを活かした方がきれいに仕上がるので、技量に合わせて選択してみて下さい。

写真6

車体後部のゴム製泥よけも、写真7のようにエッチングパーツが用意されています。この部分はゴム製のため、そのままだと違和感が出るので、エッチングを少しゴムっぽく曲げる必要があります。

フェンダーや装甲板などの金属板が曲がってしまう状態は、エッチングパーツならではの表現が可能なのですが、ゴムや布など柔らかい物を表現するのはちょっと難しいです。また、キットの泥よけ部分を切断する加工も必要になります。位置的に今後の作業中に触れてしまう事が多そうなので、さらに強度も必要になります。

エッチングパーツに変更するとゴムの薄さを表現する事ができるので魅力的ですが、強度の問題、エッチングの加工やキットを切断する事を考えると、ここは変更しない方がきれいに仕上がりそうなのでキットのモールドをそのまま使用する事にします。

🐥走行中の状態で製作する場合は、ゴムが捲れ上がった状態を表現できるので、多少無理をしてもエッチングに変更する事をお勧めします。完成後の状態も考えてエッチングの選択を決めてみて下さい。

写真7

写真8は車体正面になります。左右にあるライトの上から、金網状のライトガードを取り付けます。この作業自体はそれほど難しくないのですが、ライト部分のマスキングについて悩んでしまう人が多いと思います。

写真8

エッチングを取り付けたら、マスキングテープが剥がせなくなるし、金網の目が大きいのでそのまま塗装してしまうとライトに塗料が付着してしまいます。キットでは付属のメッシュを使用するようになっていますが、この場合でも同様に塗装の悩みが発生してしまいます。

このような時の塗装法を簡単に説明していきます。

まずは写真9のようにライト部分を塗装します。レンズ部分をシルバーで、周囲をタミヤアクリル塗料XF74 OD色(陸上自衛隊)で塗装します。メタリックはエナメル塗料の方が発色が良いので、タミヤエナメル塗料のX11クロームシルバーを使用しています。

写真9

塗装が終了したら写真10のようにライトガードを取り付けます。このパーツは車体に合わせて曲げる必要があるので、焦らずに何度も擦り合わせをしながら加工して下さい。

写真10

塗装の際は写真11のように金網部分に合わせてマスキングをします。金網部分ぴったりにマスキングをしてしまうと、マスキングテープを剥がしたときに車体の塗料が剥がれたり、マスキングが車体部分にかかってしまう場合があるので、少し小さめにライト部分が隠れる程度の大きさに切ったマスキングテープを貼ります。

🐥キット付属のネットを使用した場合は、マスキングテープの粘着力でネットが剥がれないように、一度皮膚などに付着させて粘着力を落としてから貼って下さい。

写真11

隙間から塗料が入り込むのではと心配になりますが、隙間からライトに向かって斜めに何度も強く吹き付けるなどしない限り、シルバーが消えてしまう事はないです。多少は塗料がかかるとは思いますが、ライト自体が奥まっているので気になるような事はないです。

基本塗装とコーティング塗装が終了したら、マスキングを剥がして車体色で金網部分を塗装すれば完了です。金網自体が細いので、メタルプライマー無しでも2~3回の重ね塗りでしっかり色が着きます。色調が周囲と変わってしまうのでは?と考える人もいると思いますが、金網部分だけなので多少色調が変わっても目立つ事はないです。

🐥キット付属のメッシュは黒色なのでちょっと色が暗くなってしまうので、先に白などで軽く塗装しておくと色が着きやすくなります。

今回はここで終了です。次回は組み立ての続きになります。