「真鍮線で補強」「真鍮線でディテールアップ」などの言葉は模型雑誌などの作例記事でよく見かけます。模型製作の慣れている人にとっては普通の事ですが、初心者にはちょっとハードルが高い作業に思えてしまいます。
真鍮線には様々な太さがあり手軽に加工出来るので、伸ばしランナーの次に取り組みやすいディテールアップの材料です。今回は、真鍮線を使用してみたいけど、どの太さを用意すればいいのか解らないという人のために、簡単な説明をしていきます。
🐔伸ばしランナーについて書いた記事を下記に載せておきます。こちらも参考にしてみて下さい。
【初心者向け】簡単ディテールアップ法 ~伸ばしランナー編①~
=🐣真鍮線について=
ここで真鍮線の利点と欠点を簡単に説明します。
利点
太さが均一
切断しやすく曲げるなどの加工がしやすい。
強度があるので破損しにくい。
欠点
接着には瞬間接着剤が必要。
曲げる加工はしやすいけど、先端を尖らせるなどの削る作業は難しい。
強度を確保するためにピンバイスで穴を開ける必要がある。
以上が簡単な利点と欠点になります。
金属であるため、伸ばしランナーのように簡単に接着できないですが、伸ばしランナーでは難しい直角に曲げるなどの作業が簡単に出来ます。さらにプラスチックよりも強度が高いので、折れやすい箇所、折れてしまった部分のパーツを真鍮線に変更し頑丈にする事もできます。
=🐣用意しておくと便利な太さ=
真鍮線以外にも、穴を開けるピンバイスやドリルも購入する必要があります。太さがいろいろあるので、どのような太さを購入すればいいか迷っている人のために今回は揃えておきたい3つの太さについて説明をします。
今回は1/35スケールを基準にして説明していきます。製作するスケールによって、適した太さは異なるので注意して下さい。
[0、5mm]
0、5mmはディテールアップというより修復、修正用です。破損しないかドキドキしながら、細いパーツをランナーから切り離している人は多いと思います。
そういったパーツが途中で折れてしまった場合、短いパーツならプラスチック用接着剤で問題なく接着できますが、長いパーツだと真っ直ぐに接着する事が難しくなります。アンテナのような長いパーツを破損した場合は、そのまま真鍮線に変更した方がきれいに仕上がります。
真鍮線に切り替える場合、太さに迷ってしまいますが、パーツを切り離す際に細いなと感じたパーツはだいたい0、5mmで代用できます。多少誤差はありますが、肉眼ではほとんど気にならないです。
ちょっと太めのアンテナ、パーツ破損時の修正用に0、5mmは手元にあると便利です。
【0、8mm】
主に設置作業用として使用しています。車両やフィギュアの接地面に穴を開けて差し込み、車両やジオラマなどに固定させます。フィギュアの改造などで真鍮線を芯にする場合にも利用しています。
固定用の真鍮線は、設置時に角度を変える事もあるのである程度曲げやすく、しっかり固定できる程度の太さも必要です。そうなると、1mmでは曲げ難く0、5mmでは細過ぎるので、0、8mmを使用しています。
設置用に関しては好みの太さで問題ないですが、使いやすさから0、5~1mmの間にする事をお勧めします。
【0、3mm】
0、3mmは主にアンテナなどディテールアップ用に使用します。太さが均一なので写真1のようなアンテナが多数ある車両には真鍮線を使用する事をお勧めします。
伸ばしランナーだと柔らかい感じのアンテナになりますが、真鍮線の場合は固めの直立したアンテナになります。指で弾くとビヨンビヨン揺れるような感じのアンテナにしたい場合は、伸ばしランナーの方が向いています。
取り付け位置が小さい事が多いので、ピンバイスで穴を開けるのがやや難しいですが、ドリル自体も細いので慣れれば特に問題ない作業です。ピンとしたアンテナを製作する場合は真鍮線が一番向いていると思うので、気になった人は是非挑戦してみて下さい。
🐥写真2で車体中央で横になっているアンテナは0、5mm、周囲の縦に伸びているアンテナは全て0、3mmになっています。製作時の参考にしてみて下さい。
私見ですが以上が、最も使用する真鍮線サイズのベスト3になります。どの太さを揃えたらいいか悩んでいる人は、ちょっと参考にしてみて下さい。
🐥0、5mmのドリルは機銃の銃口を開ける場合にも使用できます。これも効果的なディテールアップになるので、真鍮線を使用しなくてもドリルだけは用意しておいた方がいいと思います。
=🐣まとめ=
真鍮線はホームセンターや模型店で購入可能です。模型用の方が少し値段が高めですが、適度な長さにカットしているので保管が楽なのでお勧めです。
🐦️下記に模型用真鍮線を載せておきます。参考にし下さい。
ウェーブ オプションシステムシリーズ C・ライン 径0.5mm 6本入 ホビー用素材 OP-626
ピンバイスで穴を開ける必要があるので少し面倒ですが、プラスチック素材以外を使用する作業の中では、簡単で手軽にできるのでお勧めです。エッチングパーツのように説明書に従って製作するのではなく、自分の感覚で製作していくので、アンテナを付けるだけでもかなりディテールアップ作業をした気分になれます。
パーツ破損時の修復や、補強などの作業でも使えるので、製作作業の幅も拡がります。難しい作業ではないので、興味のある人は是非挑戦してみて下さい。